情報セキュリティ
公開日:2025年1月23日
独立行政法人情報処理推進機構
セキュリティセンター
今四半期の「情報セキュリティ安心相談窓口」における、相談対応件数は2,739件でした。前四半期から約2.3%減となっています。
相談件数の推移
今四半期の相談対応件数は、前年同四半期比では約13.8%減となっています。前年同四半期では「ウイルス検出の偽警告」に関する相談が1,324件でしたが、今四半期では520件減の804件だったことが全体件数減少の要因となっています。
相談件数の推移(前年同四半期比)
今四半期の主体別の相談対応件数は、個人は2,257件、法人/組織は142件、不明は340件でした。チャットボット相談の開始により不明の件数が増加しています。
主体別の相談件数推移
今四半期の主な手口別相談件数は、相談件数の多い手口の順に「ウイルス検出の偽警告」804件(構成比29.4%)が最も多く、続いて「不正ログイン」164件(同6.0%)、「暗号資産(仮想通貨)で金銭を要求する迷惑メール」52件(同1.9%)、「ワンクリック請求」21件(同0.8%)、「宅配便業者・通信事業者・公的機関をかたる偽SMS」8件(同0.3%)でした。前四半期(2024年7月~9月)とくらべて「不正ログイン」の件数が増加しましたが、その他は大きな変動はありませんでした。
手口別相談件数のテキスト情報は2-1~2-5にてご確認ください。
ウイルスを検出したという偽警告で不安を煽り、電話をかけさせてサポート契約に誘導する「ウイルス検出の偽警告(脚注4)」に関する相談は前四半期から約3.7%減の804件寄せられました。前四半期から引き続き、ウェブサイトに掲載される広告枠に、「次へ」「続く」などとだけ書かれた偽警告に誘導するためのリンクボタンが確認されています。広告ではなく次のページへ移るためのボタンのように見える場合があります。また、本手口において、被害者から金銭を詐取する手段として、従来のプリペイドカードによる支払いに加えて、ネットバンキングを悪用した不正送金が目立つようになっていますので、本資料の<3.2 個人からの相談事例>をご参照ください。
「ウイルス検出の偽警告」相談件数の推移
「不正ログイン(脚注5)」に関する相談が前四半期から約45.1%増の164件寄せられました。前四半期に引き続き、Facebook、Instagramなどに不正ログインされて、自分ではログインできなくなったという相談が寄せられています。
「不正ログイン」相談件数の推移
今四半期は「暗号資産(仮想通貨)で金銭を要求する迷惑メール(脚注6)」に関する相談が前四半期から約40.5%増の52件寄せられました。メールに書かれている嘘の恐喝内容に驚いて、その真偽についてのご相談が引き続き寄せられています。しかし、暗号資産で金銭を支払ってしまったという相談は確認していません。
「暗号資産(仮想通貨)で金銭を要求する迷惑メール」相談件数の推移
今四半期は「ワンクリック請求(脚注7)」に関する相談が前四半期から133.3%増の21件寄せられました。ワンクリック詐欺の手口内容に変化はみられません。アダルトサイトを観ていたところ、突然会員登録が完了し、金銭を支払うように指示する画面がでてきたことに関して、支払の必要性についての相談が寄せられています。
「ワンクリック請求」相談件数の推移
「宅配便業者・通信事業者・公的機関をかたる偽SMS(脚注8)」に関する相談件数は、前四半期から約38.5%減の8件寄せられました。宅配便事業者をかたるフィッシングは偽SMSが減少し、偽メールが増加していると考えられます。
「宅配便業者・通信事業者・公的機関をかたる偽SMS」相談件数の推移
今四半期のうち相談窓口に寄せられた相談事例を紹介します。
バウンスメールの発生原因は以下と考えられる。(図10参照)
【対処】
2023年第4四半期レポートで、サポート詐欺の手口においてネットバンキングによる不正送金をされた被害事例を報告しました。その後も同様の相談が複数寄せられており、サポート詐欺の被害者から金銭を詐取する手段として、従来のプリペイドカードによる支払いに加えて、ネットバンキングを悪用した不正送金が目立つようになりました。2024年第4四半期に相談が寄せられた不正送金の事例を以下に記載します。
【金銭的被害が発生した相談事例】
【不正送金を試みたが失敗に終わった相談事例】
【遠隔操作を悪用した不正送金の手口】
【対処】
(参考)
IPAセキュリティセンター 情報セキュリティ安心相談窓口
URL
2025年1月23日
掲載