情報セキュリティ
公開日:2024年7月17日
営業秘密の管理や保護に関する様々な情報をお届けして参ります。
経済産業省
知的財産政策室長 中山 英子
この度、6月1日付けで知的財産政策室長に着任しました中山でございます。
去る6月28日金曜日、皆様のご協力のもと、節目ともなる第10回目の「営業秘密官民フォーラム」を開催することができました。資料については、経済産業省のホームページ「営業秘密官民フォーラム」にも掲載をしているので、是非ご覧いただければと思います。
今回のフォーラムでは、警察庁からは、外国への技術流出のリスクと営業秘密侵害事件から見える秘密管理性の課題について、公安調査庁からは経済安全保障の確保に向けてそれぞれ御説明いただきました。経済産業省からは、営業秘密の保護・活用に関する最新の動きや安全保障貿易管理の最近の動向につきましてご紹介しました。
加えて、IPAからはサイバーセキュリティ対策・内部不正防止対策、INPITからは営業秘密に関する支援状況、JETROからは海外における営業秘密漏えい対策支援事業、そして弁護士知財ネットからは最近の事例を踏まえた営業秘密管理のポイントにつきましてご紹介いただきました。
また、内閣府からは、今年5月に施行された特許出願非公開制度の概要と、今年6月に成立した「重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律」についてご紹介いただきました。
本会議においてご紹介いただきました最近の動向や事例に基づいて参加者の皆様と意見交換をするなど、大変有意義な情報交換を行うことができました。改めて、ご参加いただいた皆様のご協力のおかげで本会議を開催することができ大変感謝申し上げます。
急速に普及・定着した在宅勤務、転職・独立に加えて副業・兼業の動きなど雇用の流動化・多様化、特許出願非公開制度やセキィリティクリアランスなどの経済安全保障を巡る動きなど、秘密情報の管理をめぐる状況は急速に変化しています。
産業界・関係者の皆様に関係する制度の内容等をしっかりとお届けし、ご理解を得た上で、営業秘密であれば十全な管理を講じていただくなど、具体的なアクションにつなげていただくことが肝要です。経済産業省としても、関係機関とも連携し、周知啓発に向けた取組を強化してまいります。
最後になりますが、この営業秘密メールマガジンはこの7月で創刊9周年を迎えることができました。巻頭メッセージや各種情報提供等、関係者の皆様と一緒にこのメルマガを作り上げてくることができ、大変有難く思っております。
これからも、このメルマガを通じ関係者の皆様との連携を一層強化するとともに、営業秘密に関する最新の情報をタイムリーにお届けしたいと思います。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
令和6年2月19日東京地方裁判所判決は、原告が服のパターンについて営業秘密に該当すると主張した事件です。本事案をもとに、主に服のパターンと営業秘密該当性のうち、非公知性の要件について、従来の判例等をふまえて検討したいと思います。
コラムの内容は、弁護士知財ネットのウェブサイトをご覧ください。
新しい技術としてAIが業務利用されつつある状況の中、セキュリティリスクの認識や安全な利用のための組織内の規程や体制がどこまで進んでいるのかの実態を調査し、公開しています。「生成AI」利用上の課題や利用しない理由として、「情報流出懸念」を挙げた状況等も示されています。
詳細はウェブページにてご確認ください。
「情報セキュリティ安心相談窓口」は、IPAが国民に向けて開設している、一般的な情報セキュリティ(主にウイルスや不正アクセス)に関する技術的な相談に対してアドバイスを提供する窓口です。このたび、よくあるご相談の一部については、チャットボットによるご案内を開始しました。
詳細はウェブページにてご確認ください。
7月10日(日本時間)にMicrosoft製品に関する脆弱性の修正プログラムが公表されました。CVE-2024-38080及びCVE-2024-38112の脆弱性については、早急に修正プログラムを適用する必要があります。Microsoft社が悪用の事実を確認しています。
詳細はウェブページにてご確認ください。
国内の複数組織において、The PHP Groupが提供するPHPの脆弱性(CVE-2024-4577)の悪用を確認しています。この脆弱性により、リモートでコード実行が可能となります。
詳細はウェブページにてご確認ください。
また、攻撃による何らかの被害が生じた可能性が確認された場合には、IPAの「情報提供窓口」まで届け出ることをご検討ください。
海外ビジネスを展開するにあたって、自社の経営や技術に関する情報を保護することは極めて重要です。
ジェトロでは、実際に営業秘密の保護・管理体制の導入を図る日本企業の中国、タイ、ベトナム、インドネシア、インド、欧州一部の現地法人等を対象に、専門家によるコンサルテーションや社内研修を行う事業を実施します。サービス内容は支援対象企業のニーズにあわせてオーダーメイドでご提供いたします。日本とは異なる商慣習や労務環境、司法保護状況に合わせて営業秘密の管理体制や保護措置を導入するために、ぜひご利用ください。
事業の詳細、申請書はウェブページよりご確認いただけます。
6月28日に開催した第10回営業秘密官民フォーラムにて紹介・説明させていただいた、従業員や研究機関職員向けに営業秘密管理の啓発・解説したパンフレット、「知っておきたい営業秘密~予期せないトラブルのために~」を作成・公表いたしました。
このパンフレットは、企業等において、日々の業務で、実際に営業秘密に接する従業員等にとって、
といった従業員の目線での留意点をわかりやすくまとめた内容となっております。
経済産業省ホームページからダウンロード可能ですので、営業秘密管理、不正競争防止法についての周知・確認など社内研修等での活用をご検討いただけますと幸いです。(現在は日本語版のみを作成・公表しましたが、今後、外国語翻訳版も作成・公表する予定です。)
また、ご希望の方には冊子をお届けすることも可能でございますが、現在冊子を準備中のため、準備が整い次第、知財室ホームページからの請求受付を開始予定です。
詳細は「不正競争防止法」のホームページをご確認ください。
令和5年6月14日に法律第51号として公布された「不正競争防止法等の一部を改正する法律」では、以下のようなさらなる営業秘密・限定提供データの保護強化を実施しています。
なお、この改正法は、2024年4月1日から施行されています。
詳細は経済産業省のウェブページをご覧ください。
不正競争防止法のテキストを2024年版に改訂しました。
昨年、5年ぶりに法改正がされ、本年4月1日から施行されました。改訂版では、その改正を取り込んだ最新の内容となっており、知財室ホームページにて公表しております。
また、不正競争防止法や令和5年の法改正の内容について説明会をして欲しいなどのご要望がございましたら、知的財産政策室までご連絡をお願いします。知財室員がご説明に伺います。
不正競争防止法の講演等において、不正競争防止法の概要とともに紹介・説明させていただいておりました「秘密情報の保護ハンドブック」について、改訂版を公表いたしました(令和6年2月)。
令和5年の不正競争防止法改正など関連法制度・ガイドラインの見直しに伴う修正、営業秘密・労働環境をとりまく「環境の変化」に伴う修正、「生成AIの利活用の拡大」といった社会の動きを考慮した修正等が今回の改訂の中心です。
秘密情報の保護ハンドブックや同ハンドブックのてびきといった資料は、経済産業省ホームページからダウンロード可能です。次のリンク先をご確認いただき、社内研修等での活用をご検討いただけますと幸いです。また、ご希望の方には冊子をお届けすることも可能でございますが、現在改訂版の冊子を準備中のため、準備が整い次第、知財室ホームページからの請求受付を開始予定です。なお、ハンドブックの手引きにつきましては、請求受付を始めましたのでご希望の方へお届けすることも可能でございます。
詳細は「冊子の送付について」をご確認ください。
不正競争防止法では、限定提供データに関する規定を設けております。企業が保有・活用する「情報」を営業秘密と相互補完的に守る枠組みです。
経済産業省では、限定提供データの定義や不正競争に該当する要件等について、一つの考え方を示すものとして「限定提供データに関する指針」を公表しておりますが、この度、不正競争防止法の改正において限定提供データの保護範囲の見直しを行ったことを踏まえて、指針の改訂を行いました(令和6年2月)。
知財室では、データ利活用に関する資料をウェブサイトにて公表しておりますので、ご活用いただけますと幸いです。
データ利活用を始めたいが何から始めて良いかわからない、データ利活用においてどのような点に気をつければ良いか等の疑問をお持ちの方はぜひご覧ください。
知的財産戦略本部において、政府における知財戦略や知財施策を取りまとめた「知的財産推進計画2024~イノベーションを創出・促進する知財エコシステムの再構築と「新たなクールジャパン戦略」の推進に向けて~」を公表しています。
詳細は知的財産推進計画2024のPDFをご確認ください。
経済産業省は産業競争力強化法に基づく技術情報管理認証制度の基準をもとに、中小企業や専門知識がない方でも自社の情報セキュリティ対策の状況を確認し、必要な対策を把握できる「技術情報管理 自己チェックリスト」を公開しております。
情報セキュリティ対策をなにから始めればいいか分からずお悩みの方は、まずは自己チェックリストを経済産業省ウェブページからダウンロードして、自己診断してみましょう。
技術情報管理自己チェックリストのダウンロードは技術情報管理自己チェックリストのウェブページからできます。
INPITでは、大切な秘密情報を巡るよくあるトラブル事例や、営業秘密として管理する手法についてまとめた研修動画を、当館のeラーニングサイトIPePlatに公開しております。
営業秘密について学びたい、これから営業秘密管理に取り組もうという方向けの内容で、無料でご視聴いただけます。
動画はIP ePlatのウェブページよりご確認いただけます。
・はじめての「営業秘密管理」
皆様の企業・研究機関にはどのような技術情報がありますか?技術流出の防止には、「情勢」・「事例」・「対策」の理解が欠かせません。この度、警察庁公式サイトに特設ページ「技術流出の防止に向けて」を開設し、技術流出に関する情勢、リスクのある具体的事例「3つのS」と題した企業や個人が取るべき対策などをわかりやすく説明しています。動画やパンフレットも掲載されていますので社内研修等にご活用ください。
「技術流出の防止に向けて」のウェブページで、事例、動画、パンフレット等をご覧ください。
3月21日に内部不正による情報漏えいの手口や対策を学べる新作の動画を公開。IPAが過去に制作した情報セキュリティ対策に役立つ他の映像と併せて、新入社員向けの研修などにご活用ください。
スタートアップ必見!知的財産の重要性を呼びかける、全5話のWebショートドラマを公開中です!
『全話最終回… どうやっても毎回倒産してしまうナオトとその仲間たち』
大手企業の契約担当者の罠に落ち、信頼していた研究パートナーにはめられ、不慣れな異国の地でも知的財産トラブルに見舞われるなど、挑戦のたびに知的財産が原因で倒産してしまう3人組。知的財産の重要性を知らないと行き着く先は「THE END.」になってしまうという、学びのある物語です。
動画は特設サイト「スタートアップは突然に」でご覧ください。
世界初!?厳しいビジネスの世界をサバンナに例え、ネイチャードキュメンタリーさながらに、サバンナで生きるシャチョー(スタートアップ類)の大切なアイデアや技術を“捕食”されないよう、知的財産の重要性を啓発する動画になっています。
YouTube動画はINPIT Channelの「スタートアップ社長 in サバンナ(ナレーション:森田成一)」からご覧ください。
トップセールスでうっかり…、取引先からの要請に答えたら…、展示会でアピールし過ぎて…、など営業秘密で陥りがちな失敗とケーススタディをYouTube動画で公開中です。
豊富な知財実務経験を有する「知財戦略エキスパート」が、企業の実情に合わせた秘密情報の管理体制(例えば、書類・記録媒体の管理方法、電子データの管理等)の整備をご支援いたします。
地方自治体や中小企業支援機関が主催するセミナー・講演会、中小企業における社内研修等への講師派遣も無料で実施しており、ご好評いただいております。是非ご活用ください。
お問い合わせは、「営業秘密支援窓口」のウェブページをご参照ください。
INPITが運営する「知財ポータル」にて、「特許などによる権利化、営業秘密としての秘匿化をどう使い分ければよい?」「転職しようとする社員に対してどのような契約を結べばよいか?」、「他社を退職した技術者を採用する際にどのような点に注意すればよいか?」等といった、営業秘密管理におけるよくある質問を一問一答形式のFAQとしてとりまとめています。
詳しくは知財総合支援窓口(知財ポータル)の「よくあるご相談」のウェブページをご覧ください。
いつもつぼマガをご愛読いただきありがとうございます。経済産業省知的財産政策室です。
先月は、皆様のご協力のもと、第10回営業秘密官民フォーラムを無事開催することができました。
各界・関係機関より、関連法制の最新情報や営業秘密保護への取り組み等を共有いただき、非常に実りの多い会とすることができました。この場をお借りして改めて感謝申し上げます。
当日の資料は、当室のホームページよりご確認いただけます。
官民フォーラムの場でもご報告させていただきましたが、当室にて、営業秘密管理の普及啓発のため、「知っておきたい営業秘密」と題して、従業員向けのパンフレットを作成いたしました。
営業秘密管理の留意点を分かりやすくまとめておりますので、ぜひご活用いただけますと幸いです。
7月に入り、梅雨はどこへやら、毎日暑い日が続きますが、皆様お体に気をつけてお過ごしください。
「つぼマガ」第97号をお読みいただき、ありがとうございました。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)セキュリティセンター
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03-5978-7513
皆様のご意見、ご要望などをお待ちしております。
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