情報セキュリティ
公開日:2025年7月23日
独立行政法人情報処理推進機構
セキュリティセンター
本レポートでは、2025年4月1日から2025年6月30日までの間に情報セキュリティ安心相談窓口で対応した、個人からの「相談」の統計について紹介しています。
従来、個人および企業組織からのご相談を「情報セキュリティ安心相談窓口」にて対応しておりました。
2025年4月より個人からのご相談は「情報セキュリティ安心相談窓口」、企業組織からのご相談は新たに開設した「サイバーセキュリティ相談窓口」での対応となりました。
今四半期の「情報セキュリティ安心相談窓口」における、相談対応件数は2,941件でした。前四半期から約8.5%減となっています。
相談件数の推移
今四半期の相談対応件数は、前年同四半期比では約21.7%減となっており、「ウイルス検出の偽警告」の相談件数が大きく減少したことが要因となっています。
相談件数の推移(前年同四半期比)
今四半期の主な手口別相談件数は、相談件数の多い手口の順に「ウイルス検出の偽警告」912件(構成比31.0%)が最も多く、続いて「不正ログイン」267件(同9.1%)、「フィッシング」126件(同4.3%)、「暗号資産(仮想通貨)で金銭を要求する迷惑メール」38件(同1.3%)、「ワンクリック請求」14件(同0.5%)、でした。
手口別相談件数のテキスト情報は2-1~2-5にてご確認ください。
ウイルスを検出したという偽警告で不安を煽り、電話をかけさせてサポート契約に誘導する「ウイルス検出の偽警告(脚注4)」に関する相談は前四半期から約15.9%減の912件寄せられました。2025年5月30日に警察庁より「日本人被害者にかかるサポート詐欺に関係する被疑者6人を検挙した。」(脚注5)との発表があり、その後の相談件数が減少しています。
「ウイルス検出の偽警告」相談件数の推移
「不正ログイン(脚注6)」に関する相談が前四半期から約2.3%増の267件寄せられました。前四半期に引き続き、Facebook、Instagramなどに不正ログインされて、自分ではログインできなくなったという相談が多く寄せられています。
「不正ログイン」相談件数の推移
「フィッシング」に関する相談件数は、前四半期から約6.7%減の126件寄せられました。各種サービスや企業を騙ったメールから偽サイトにアクセスして、個人情報やクレジットカード情報などを入力したという相談が寄せられています。本資料の<3.相談事例2 証券会社を騙るフィッシングメールによる被害>をご参照ください。
「フィッシング」相談件数の推移
今四半期は「暗号資産(仮想通貨)で金銭を要求する迷惑メール(脚注7)」に関する相談が前四半期から約67.8%減の38件寄せられました。メールに書かれている嘘の恐喝内容に驚いて、その真偽についてのご相談が引き続き寄せられています。しかし、暗号資産で金銭を支払ってしまったという相談は確認していません。
「暗号資産(仮想通貨)で金銭を要求する迷惑メール」相談件数の推移
今四半期は「ワンクリック請求(脚注8)」に関する相談が前四半期から6.7%減の14件寄せられました。ワンクリック詐欺の手口内容に変化はみられません。アダルトサイトを観ていたところ、突然会員登録が完了し、金銭を支払うように指示する画面がでてきたことに関して、支払の必要性についての相談が寄せられています。
「ワンクリック請求」相談件数の推移
今四半期のうち情報セキュリティ安心相談窓口に寄せられた相談事例を紹介します。
証券会社からメール(図12)が来て、メール本文のURLからログインしたがログインできずにおかしいと思っていた。気になったので、改めてログインしたら保有株を全部売られていたあとだった。証券会社には連絡して相談した。ウイルスに感染したのか?
本事例で紹介した証券会社を騙り顧客情報(ID、パスワード等)を搾取する手口が増加したことを受け、証券業界ではログイン時の多要素認証などを必須設定にする対応を進めている報道があり、この時期から、証券会社を騙った、多要素認証や認証方法の強化などに関する偽のメッセージのフィッシングメールを多数確認しています。被害に遭わないために上記の対策を実践することを推奨する。
IPAセキュリティセンター 情報セキュリティ安心相談窓口
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2025年7月23日
掲載