情報セキュリティ
公開日:2023年12月20日
営業秘密の管理や保護に関する様々な情報をお届けして参ります。
独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)
知財活用支援センター 知財戦略部長 鷲﨑 亮
独立行政法人工業所有権情報・研修館(以下、INPIT)の営業秘密・知財戦略相談窓口では、主に中小企業やスタートアップからの、営業秘密の管理方法・体制の構築や、営業秘密の漏えい・流出事案への対処に関するご相談に応じています。
当窓口の設立(2015年)以降、営業秘密に関する相談件数は増加傾向にあり、2022年度には593回の相談対応を行いました。また、周知活動にも力を入れており、営業秘密に関するセミナーを全国各地で年間30回以上行っています。しかしながら、国内には中小企業が350万社以上あることを踏まえると、営業秘密の重要性に気づいていない方はまだまだ多いと考えられ、そもそも関心がない方に気づきを与えることも重要なミッションです。
INPITでは、知財に関心がない層にも情報が届くよう、気軽にご覧いただけるキャッチーな広報動画を用いた周知活動を行っています。例えば2022年には、身近な行動にも秘密漏えいのリスクが潜むことを知っていただけるよう、営業秘密に関するショートドラマ形式の動画を3本作成して、INPITのYouTubeチャンネル等で公開しました。
商談の場でうっかりノウハウを話してしまった、取引先の圧力に負けて図面を提供してしまった、展示会で来場者(競合企業)に製造プロセスを話してしまった、といった「よくある」事案を題材としています。
さらに、2023年11月には、スタートアップ向けの広報動画として、ショートドラマ「スタートアップは突然に」をINPITのYouTubeチャンネル等で公開しました(全5話、各2分程度)。
大手企業の契約担当者の罠に落ち、信頼していた研究パートナーにはめられ、不慣れな異国の地でも知財トラブルに見舞われるなど、挑戦のたびに知財が原因で倒産してしまう3人組のドラマで、知財の重要性を知らないと行き着く先は「THE END.」になってしまうという、学びのある物語です。このドラマでは、中途採用者が以前勤めていた企業の情報を持ち込んでしまっ
た(第2話)、身近に産業スパイがいた(第5話)、という営業秘密にまつわるエピソードも盛り込んでいます。
昨今では、従業員や元従業員が営業秘密を持ち出して逮捕に至ったというニュースを見聞きする機会も多く、身が引き締まるのを感じます。INPITの営業秘密・知財戦略相談窓口は設立から10年を迎えようとしていますが、各関係機関との連携を強化しつつ、時代に即した営業秘密に関する支援を中小企業等に提供できるよう一層尽力してまいります。今後とも皆様のお力添えを賜れば幸いです。
弁護士知財ネットからの「訴訟・判決コラム」は、今回はお休みです。過去の掲載記事は、以下URLをご覧ください。
コラムの内容は、弁護士知財ネットのウェブサイトをご覧ください。
12月13日(日本時間)にMicrosoft製品に関する脆弱性の修正プログラムが公表されました。これらの脆弱性を悪用されると様々な被害が発生するおそれがあります。早急に修正プログラムを適用して下さい。
詳細はウェブページをご確認ください。
制御システムの保有事業者における運用・制御技術に対する脅威及び対策を支援するため、「制御システムセキュリティ分析ガイド」についてのオンラインセミナーを実施しています。リスク分析の全体像と共に資産ベース、事業被害ベースの2種の分析手法の具体的な実施手順などを解説します。説明動画には「入門編」、「管理者向け」、「応用編」があります。
掲載内容はウェブページをご確認ください。
制御システムセキュリティ分析ガイド本編第2版(2023年3月版)のシステム構成変更に内容を合わせ、「資産・データフロー」「資産ベースのリスク分析における資産」「事業被害ベースのリスク分析における攻撃ツリー」各々の追加を行った、モデルシステムに対するリスク分析の事例集です。
詳細はガイド別冊をウェブサイトからダウンロードしてご確認ください。
令和5年6月14日に「不正競争防止法等の一部を改正する法律」が、法律第51号として公布されました。
知的財産の分野におけるデジタル化や国際化の更なる進展などの環境変化を踏まえ、中小企業・スタートアップ等による知的財産を活用した新規事業展開を後押しする等、時代の要請に対応した知的財産制度の見直しが必要とされています。
今回の改正では、デジタル技術の活用により、特に中小企業・スタートアップの事業活動が多様化していること等に対応するため、以下を行いましたので、これら改正事項を中心に御説明します。
(1)ブランド・デザイン等の保護強化
(2)コロナ禍・デジタル化に対応した知的財産手続の整備
(3)国際的な事業展開に関する制度整備の観点から不正競争防止法、商標法、意匠法、特許法、実用新案法、工業所有権特例法の改正
また、令和6年の春頃に運用開始を予定している特許出願非公開制度についても取り上げます。本制度は経済安全保障推進法に基づき、国家及び国民の安全を損なう事態を生ずるおそれが大きい発明が記載されている特許出願について、出願公開等の手続を留保するとともに情報流出防止の措置を講ずる制度です。経済安全保障に対する関心が高まる中、制度の概要や特許制度に関わる方に広く御注意いただきたい点(外国出願が禁止される場合やその確認方法など)を中心に御説明します。
説明会の詳細は、特設サイトに掲載されています。
営業秘密につきましても、今回の法改正において、(1)損害賠償額算定規定の拡充、(2)使用等の推定規定の拡充、(3)国際的な営業秘密侵害事案における手続の明確化、といった改正が行われていますので是非御参加ください。
詳細・お申し込みは特設サイトをご覧ください。
グローバル化により海外に進出する日系企業が増加し、これに伴い技術情報等の漏洩・窃取リスクも増大しています。製造、販売等の拠点を海外に有する場合には、各国における営業秘密の保護に関連する法規や権利行使のプラクティス、商習慣等の相違を考慮したうえで、各拠点で営業秘密を管理する必要があります。
しかしながら、海外拠点での営業秘密管理体制の整備には、手付かずのままとなっている日系企業も少なくありません。
本セミナーでは、メキシコにおける営業秘密の保護に関連する制度、実務上の留意点等について、現地の制度等に通じた専門家から、具体的な事例とともに紹介します。
<開催概要>
■日 時:2024年1月19日 金曜日 9時00分~10時40分 日本時間
:2024年1月18日 木曜日 18時00分~19時40分 メキシコ時間
■主 催:経済産業省、ジェトロ
■後 援:独立行政法人 工業所有権情報・研修館(INPIT)
■参 加 費:無料
■開催方法:Webセミナー (Zoomライブ配信)
■言 語:日本語
■留意事項:講演タイトル、内容、講師は予告無く変更になることがあり
ます。また、開催時間は前後する可能性があります。
■定 員:450名 ※定員に達し次第、締切とします。
■締 切:2024年1月12日 金曜日 17時00分(日本時間)
お申込みはジェトロのウェブページから行うことができます。
すでにお申込みいただいている皆様におかれましては、ご放念ください。
お問い合わせ先:ジェトロ知的財産課
内容について:上原、河野
出欠について:廣岡
メール:CHIZAI@jetro.go.jp
電話 :03-3582-5198
独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT:インピット)では、大切な秘密情報を巡るよくあるトラブル事例や、営業秘密として管理する手法についてまとめた研修動画を、当館のeラーニングサイトIPePlatに公開しております。
営業秘密について学びたい、これから営業秘密管理に取組もうという方向けの内容で、無料でご視聴頂けます。
動画は「はじめての営業秘密管理」よりご覧いただけます。
スタートアップ必見!知的財産の重要性を呼びかける、全5話のウェブショートドラマを制作しました!
『全話最終回… どうやっても毎回倒産してしまうナオトとその仲間たち』
大手企業の契約担当者の罠に落ち、信頼していた研究パートナーにはめられ、不慣れな異国の地でも知的財産トラブルに見舞われるなど、挑戦のたびに知的財産が原因で倒産してしまう3人組。知的財産の重要性を知らないと行き着く先は「THE END.」になってしまうという、学びのある物語です。
映像は、特設サイト「スタートアップは突然に」をご覧ください。
海外でビジネスを展開する場合、自社の経営・技術情報を保護することは極めて重要です。本事業では、海外での営業秘密管理体制の導入を支援するため、専門家によるコンサルテーションや社員向けの研修を実施します。
サービス内容は支援対象企業のニーズにあわせてオーダーメイドでご提供致します。
日本とは異なる商慣習や労務環境、司法保護状況に合わせて営業秘密の管理体制や保護措置を導入するために、ぜひご利用下さい。
事業の詳細、申請書はジェトロの支援サービスのページをご覧ください。
経済産業省は、産業競争力強化法に基づく技術情報管理認証制度の認証取得を目指す事業者等を対象に、情報セキュリティの具体的な取組方法のアドバイスや、認証取得の支援を行う専門家を無償で派遣する事業を実施しています。 なお、予定枠が埋まり次第募集を打ち切る場合がありますので、派遣を希望される方は、早めの応募をお願いします。
詳細は「技術情報管理認証制度 専門家派遣事業ウェブページ」をご確認ください。
去る6月14日に法律第51号として公布された「不正競争防止法等の一部を改正する法律」では、以下のようなさらなる営業秘密・限定提供データの保護強化を実施しています。
詳細は経済産業省のウェブページをご覧ください。
経済産業省は産業競争力強化法に基づく技術情報管理認証制度の基準をもとに、中小企業や専門知識がない方でも自社の情報セキュリティ対策の状況を確認し、必要な対策を把握できる「技術情報管理 自己チェックリスト」を公開しております。
情報セキュリティ対策をなにから始めればいいか分からずお悩みの方は、まずは自己チェックリストを経済産業省ウェブページからダウンロードして、自己診断してみましょう。
技術情報管理自己チェックリストのダウンロードは、技術情報管理自己チェックリストのウェブページをご確認ください。
皆様の企業・研究機関にはどのような技術情報がありますか?
技術流出の防止には、「情勢」・「事例」・「対策」の理解が欠かせません。この度、警察庁公式サイトに特設ページ「技術流出の防止に向けて」を開設し、技術流出に関する情勢、リスクのある具体的事例「3つのS」 と題した企業や個人が取るべき対策などをわかりやすく説明しています。動画やパンフレットも掲載されていますので社内研修等に御活用ください。
「技術流出の防止に向けて」のウェブページから事例、動画、パンフレット等をご覧ください。
内閣府知的財産戦略本部において、政府における知財戦略や知財施策を取りまとめた「知的財産推進計画2023~多様なプレイヤーが世の中の知的財産の利用価値を最大限に引き出す社会に向けて~」を公表しています。 「知的財産推進計画2023」では、知財戦略の基本認識と重点10施策の中で、営業秘密やデータ利活用に関する施策についても掲載されています。
詳細は 知的財産推進計画2023のPDF版をご確認ください。
不正競争防止法の講義等において、不正競争防止法の概要をはじめ、秘密情報の保護ハンドブックや同ハンドブックのてびきの紹介・説明をさせていただいております。
これらの資料は、経済産業省ホームページからダウンロード可能です。また、ご希望の方には、冊子をお届けすることも可能でございます。社内研修等での活用をご検討いただけますと幸いです。
詳細は「冊子の送付について」のウェブページをご確認ください。
不正競争防止法では、限定提供データに関する規定を設けております。企業が保有・活用する「情報」を営業秘密と相互補完的に守る枠組みです。
知財室では、データ利活用に関する資料をウェブサイトにて公表しておりますので、ご活用いただけますと幸いです。
データ利活用を始めたいが何から始めて良いかわからない、データ利活用においてどのような点に気をつければ良いか等の疑問をお持ちの方はぜひご覧ください。
世界初!?
厳しいビジネスの世界をサバンナに例え、ネイチャードキュメンタリーさながらに、サバンナで生きるシャチョー(スタートアップ類)の大切なアイデアや技術を“捕食”されないよう、知的財産の重要性を啓発する動画になっています!!
YouTube動画はINPIT(インピット)Channel「スタートアップ社長 in サバンナ」(ナレーション:森田成一)からご覧ください。
また、「INPIT(インピット)のスタートアップ支援!」のウェブページも併せてご覧ください。
トップセールスでうっかり・・・、取引先からの要請に答えたら・・・、展示会でアピールし過ぎて・・・、など営業秘密で陥りがちな失敗とケーススタディをYouTube動画で公開中です。
「わが社の営業秘密は大丈夫かな?」とちょっと思った方!必見です。
YouTubeで公開中の動画
第1弾 【この話、自分には関係ない本当にそう】トップセールスでのうっかり
第2弾 【取引先からの思いがけない提案】苦渋の判断が生んだ悲劇
第3弾 【会社総出でアピールしたら】展示会の落とし穴
不正競争防止法のテキスト最新版を、知財室のウェブページにて公表しております。
また、不正競争防止法について説明会をしてほしい!などのご要望がございましたら、知的財産政策室までご連絡をお願いします。
知財室員がご説明に伺います。
独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT:インピット)が運営する「知財ポータル」にて、「取引先から我が社のノウハウの提供を求められている。どうしたらよい?」といった、営業秘密管理におけるよくある質問を一問一答形式のFAQとしてとりまとめています。
詳しくは営業秘密・知財戦略よりご覧ください。
知的財産戦略アドバイザーが企業の実情に合わせた秘密情報の管理体制(例えば、書類・記録媒体の管理方法、電子データの管理等)の整備をご支援いたします。
地方自治体や中小企業支援機関が主催するセミナー・講演会、中小企業における社内研修等への講師派遣も無料で実施しており、ご好評いただいております。是非ご活用ください。
お問い合わせは「営業秘密・知財戦略相談窓口」のサービス概要をご参照ください。
いつもつぼマガをご愛読いただきありがとうございます。今年もいよいよ残すところあとわずかとなりましたね。
皆さまはこの12月、どのようにお過ごしでしょうか。寒くなってきましたが、体調など崩されず、良い12月をお過ごしくださいませ。
さて、話はガラッと変わりますが、昨年のこの時期はロンドンで「営業秘密」の授業をはじめ、知財法を勉強していました。期末テストが1月初旬にあったため、1月2日に図書館に行ったら、既に学生が埋め尽くされていて座席が取れなかったり、なかなか授業についていけなくて、友人や教授に鬼のように質問したり、振り返れば怒涛の日々でした。当時学んだことを、いつか皆さんに還元できるように日々精進したいと思います。
皆さまのなかにも、お仕事やご家庭のタスクにより、ゆっくりしたお正月を過ごせない方がいるかもしれませんが、あたたかい飲み物を飲んで、少しでもリラックスできる時間が取れますようにお祈りしております。
今年の漢字は「税」とのことですが、皆さんにとってはどんな一年でしたか?素敵な年末年始をお過ごしくださいね!
「つぼマガ」第90号をお読みいただき、ありがとうございました。
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