情報セキュリティ
公開日:2023年9月20日
営業秘密の管理や保護に関する様々な情報をお届けして参ります。
独立行政法人情報処理推進機構
セキュリティセンター長 高柳 大輔
営業秘密官民フォーラムメルマガ【営業秘密のツボ】は、本号で第87号を迎え、創刊から8年目となりました。情報処理推進機構(IPA)では、「サイバーセキュリティ」の欄などを活用させていただくことで、継続してさまざまなセキュリティ関連情報の発信に努めてまいりました。
IPAでは、各種ガイドライン作成、IT人材育成、情報セキュリティ対策支援などを実施しております。複雑化・巧妙化するランサムウェア攻撃の増大、国家の関与が疑われるような組織化・洗練化されたサイバー攻撃、外部委託の拡大やサプライチェーンの複雑化等に対応するため、各種インシデント対応の支援、情報収集、脅威情報や脆弱性情報の発信、注意喚起等に取組んでいるところです。
営業秘密保護につきましては、昨年4月に「組織における内部不正ガイドライン」改訂第5版を公開し、内部不正防止の重要性を踏まえて、資産管理、技術的管理、職場環境等に係る計33項目の具体的な対策をお示ししています。そして、今年4月に「企業の内部不正防止体制に関する実態調査」を公開しました。
内部不正は、従業員のモラルやリテラシーに起因する事案だけではなく、重要技術情報を狙う外部の関与するケースも、事業リスクの低減の観点から大きな経営課題となっておりますが、経営層が内部不正リスクを優先経営課題としているのは約4割に留まっております。また、情報漏洩は、情報取扱ポリシーの弱いところで発生するおそれがあることから、守るべき情報資産・IT資産が、海外子会社、グループ子会社、委託先事業などに広範囲にわたる場合は、それに応じて、内部不正対策も全社的なガバナンス下での対応が重要です。現在では、全社体制で行っているのは約5割であり、管理体制等の一層の整備が期待されるところです。
こうした状況を踏まえて、IPAでは、引き続き、営業秘密保護や内部不正防止に係る組織や管理体制の在り方の実態や課題を整理するとともに、各種ガイドライン等の認知度向上や活用促進なども行いながら、営業秘密の管理や保護の底上げに資するように取り組んでまいりたいと考えております。
引き続きよろしくお願いいたします。
弁護士知財ネットからの「訴訟・判決コラム」は、今回はお休みです。
過去の掲載記事は、弁護士知財ネットのウェブサイトをご覧ください。
日本時間2023年9月13日に修正プログラムが公表されました。CVE-2023-36802及びCVE-2023-36761の脆弱性について、悪用の事実を確認済みであるとMS社が公表しています。今後被害の拡大が懸念されますので、修正プログラムの至急の適用が望まれます。
詳細は注意喚起ページをご確認ください。
IPAが4月に公開した「企業の内部不正防止体制に関する実態調査」報告書を再構成してメディアプラットフォーム「note」に短期連載を始めました。報告書は200ページ超えのボリュームですが、連載では図版の多用、文字数の圧縮などで、一話5分程度で読めるボリュームです。企業の内部不正対策の課題、現状の把握にお役立てください。
掲載内容はnoteの掲載ページをご確認ください。
9月7日に徳島県、徳島県警察、徳島県内商工3団体とサイバーセキュリティの確保に関する連携協定を締結しました。
詳細はIPAウェブサイトのお知らせページをご確認ください。
グローバル化により海外に進出する日系企業が増加し、これに伴い技術情報等の漏えい・窃取のリスクも増大しています。製造、販売等の拠点を海外に有する場合には、各国における営業秘密の保護に関連する法規や権利行使のプラクティス、商習慣等の相違を考慮したうえで、各拠点で営業秘密を管理する必要があります。
しかしながら、海外拠点での営業秘密管理体制の整備が手付かずのままとなっている日系企業も少なくありません。
また、南アフリカ共和国では個人情報保護法(POPIA)が2013年に制定されたのち段階的に施行されたものの、2021年に全面的に適用されデータ管理の法整備が進みました。そこで、南アフリカ共和国の拠点におけるデータ保護管理体制の見直しが求められつつあります。
本セミナーでは、南アフリカ共和国の営業秘密漏えいに関する実態と対策ならびにび南アフリカ個人情報保護法の最新動向についてご紹介します。
<開催概要>
日 時:2023年9月28日 木曜日 16時00分~17時40分 日本時間
:2023年9月28日 木曜日 9時00分~10時40分 南ア時間
主 催:経済産業省、ジェトロ
後 援:独立行政法人 工業所有権情報・研修館(INPIT)
参 加 費:無料
開催方法:Webセミナー(Zoomライブ配信)
言 語:日本語
留意事項:講演タイトル、内容、講師は予告無く変更になることがあります。また、開催時間は前後する可能性があります。
定 員:400名 定員に達し次第、締切とします。
申込締切:2023年9月21日 木曜日 12時00分
お申込みはジェトロのウェブページから行うことができます。
すでにお申込みいただいている皆様におかれましては、ご放念ください。
お問い合わせ先:ジェトロ知的財産課
内容について:上原、河野
出欠について:廣岡
メール:CHIZAI@jetro.go.jp
電話 :03-3582-5198
独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT:インピット)では、大切な秘密情報を巡るよくあるトラブル事例や、営業秘密として管理する手法についてまとめた研修動画を、当館のeラーニングサイトIPePlatに公開しております。
営業秘密について学びたい、これから営業秘密管理に取組もうという方向けの内容で、無料でご視聴頂けます。
動画は「はじめての営業秘密管理」よりご覧いただけます。
海外ビジネスを展開するにあたって、自社の経営や技術に関する情報を保護することは極めて重要です。ジェトロでは、実際に営業秘密の保護・管理体制の導入を図る日本企業の中国、タイ、ベトナム、インドネシア、インド、欧州一部の現地法人等を対象に、専門家によるコンサルテーションや社内研修を行う事業を実施します。サービス内容は支援対象企業のニーズにあわせてオーダーメイドでご提供致します。日本とは異なる商慣習や労務環境、司法保護状況に合わせて営業秘密の管理体制や保護措置を導入するために、ぜひご利用下さい。
事業の詳細、申請書はジェトロの支援サービスのページをご覧ください。
経済産業省は、産業競争力強化法に基づく技術情報管理認証制度の認証取得を目指す事業者等を対象に、情報セキュリティの具体的な取組方法のアドバイスや、認証取得の支援を行う専門家を無償で派遣する事業を実施しています。 なお、予定枠が埋まり次第募集を打ち切る場合がありますので、派遣を希望される方は、早めの応募をお願いします。
詳細は「技術情報管理認証制度 専門家派遣事業ウェブページ」をご確認ください。
去る6月14日に法律第51号として公布された「不正競争防止法等の一部を改正する法律」では、以下のようなさらなる営業秘密・限定提供データの保護強化を実施しています。
詳細は経済産業省のウェブページをご覧ください。
技術情報管理自己チェックリストのダウンロードは、技術情報管理自己チェックリストのウェブページをご確認ください。
今までに、海外市場に進出しようと調査した企業様より以下のような相談がございました。
それどころかそうとは知らずに進出した結果、「商標権」等を登録していた海外企業から逆に訴えられるというケースもございました。ジェトロではこのような被害にあわれた方を支援するために、次のような事業を行っております。
1.海外の模倣品被害を何とかしたい方
模倣品対策支援事業のウェブページをご覧ください。
2.海外企業に自社商標を先取出願された方
冒認商標無効・取消係争支援事業のウェブページをご覧ください。
3.外国企業から警告状が届いた、訴えられた方
防衛型侵害対策支援事業のウェブページをご覧ください。
皆様の企業・研究機関にはどのような技術情報がありますか?
技術流出の防止には、「情勢」・「事例」・「対策」の理解が欠かせません。この度、警察庁公式サイトに特設ページ「技術流出の防止に向けて」を開設し、技術流出に関する情勢、リスクのある具体的事例「3つのS」 と題した企業や個人が取るべき対策などをわかりやすく説明しています。動画やパンフレットも掲載されていますので社内研修等に御活用ください。
「技術流出の防止に向けて」のウェブページから事例、動画、パンフレット等をご覧ください。
内閣府知的財産戦略本部において、政府における知財戦略や知財施策を取りまとめた「知的財産推進計画2023~多様なプレイヤーが世の中の知的財産の利用価値を最大限に引き出す社会に向けて~」を公表しています。 「知的財産推進計画2023」では、知財戦略の基本認識と重点10施策の中で、営業秘密やデータ利活用に関する施策についても掲載されています。
詳細は 知的財産推進計画2023のPDF版をご確認ください。
不正競争防止法の講義等において、不正競争防止法の概要をはじめ、秘密情報の保護ハンドブックや同ハンドブックのてびきの紹介・説明をさせていただいております。
これらの資料は、経済産業省ホームページからダウンロード可能です。また、ご希望の方には、冊子をお届けすることも可能でございます。社内研修等での活用をご検討いただけますと幸いです。
詳細は「冊子の送付について」のウェブページをご確認ください。
不正競争防止法では、限定提供データに関する規定を設けております。企業が保有・活用する「情報」を営業秘密と相互補完的に守る枠組みです。
知財室では、データ利活用に関する資料をウェブサイトにて公表しておりますので、ご活用いただけますと幸いです。
データ利活用を始めたいが何から始めて良いかわからない、データ利活用においてどのような点に気をつければ良いか等の疑問をお持ちの方はぜひご覧ください。
世界初!?
厳しいビジネスの世界をサバンナに例え、ネイチャードキュメンタリーさながらに、サバンナで生きるシャチョー(スタートアップ類)の大切なアイデアや技術を“捕食”されないよう、知的財産の重要性を啓発する動画になっています!!
YouTube動画はINPIT(インピット)Channel「スタートアップ社長 in サバンナ」(ナレーション:森田成一)からご覧ください。
また、「INPIT(インピット)のスタートアップ支援!」のウェブページも併せてご覧ください。
トップセールスでうっかり・・・、取引先からの要請に答えたら・・・、展示会でアピールし過ぎて・・・、など営業秘密で陥りがちな失敗とケーススタディをYouTube動画で公開中です。
「わが社の営業秘密は大丈夫かな?」とちょっと思った方!必見です。
YouTubeで公開中の動画
第1弾 【この話、自分には関係ない本当にそう】トップセールスでのうっかり
第2弾 【取引先からの思いがけない提案】苦渋の判断が生んだ悲劇
第3弾 【会社総出でアピールしたら】展示会の落とし穴
不正競争防止法のテキスト最新版を、知財室のページにて公表しております。
また、不正競争防止法について説明会をしてほしい!などのご要望がございましたら、知的財産政策室までご連絡をお願いします。
知財室員がご説明に伺います。
独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT:インピット)が運営する「知財ポータル」にて、「取引先から我が社のノウハウの提供を求められている。どうしたらよい?」といった、営業秘密管理におけるよくある質問を一問一答形式のFAQとしてとりまとめています。
詳しくは営業秘密・知財戦略よりご覧ください。
知的財産戦略アドバイザーが企業の実情に合わせた秘密情報の管理体制(例えば、書類・記録媒体の管理方法、電子データの管理等)の整備をご支援いたします。
地方自治体や中小企業支援機関が主催するセミナー・講演会、中小企業における社内研修等への講師派遣も無料で実施しており、ご好評いただいております。是非ご活用ください。
お問い合わせは「営業秘密・知財戦略相談窓口」のサービス概要をご参照ください。
いつもつぼマガをご愛読いただきありがとうございます。経済産業省知的財産政策室でございます。
9月に入りましたが、依然として30℃を超える暑い日が続いており、我が家のエアコンや扇風機にはまだまだ働いてもらう必要がありそうです。
さて、9月7日からオリンピック、サッカーワールドカップに並び世界三大スポーツイベントとも呼ばれる“ラグビーワールドカップ”がフランスで開幕しました。
前回大会で初のベスト8進出を果たした日本代表が、今大会ではどこまで勝ち進んでくれるのか非常に楽しみです。1次リーグでは、日本は強豪のイングランドやアルゼンチンと同じプールDに入っており、白熱した試合が期待されます。日本代表には、今大会のために隠し持っているであろう“秘策”をここぞという場面で披露していただき、決勝トーナメントへと駒を進めてほしいですね。
さて、秘策と言えば、「秘密の策」ということになりますが、これが相手チームに漏れてしまうと、勝敗結果に左右するであろう価値のある情報になるかと思います。
企業の皆様におかれましても、自身の重要情報を守るために様々な対策を講じていらっしゃることかと思いますが、知的財産政策室で公表しております「秘密情報の保護ハンドブック」や「秘密情報の保護ハンドブックのてびき」などの関連資料も必要に応じてご参考としていただければ幸いです。
「つぼマガ」第87号をお読みいただき、ありがとうございました。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)セキュリティセンター
TEL
FAX
03-5978-7513
皆様のご意見、ご要望などをお待ちしております。
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