テレワークの実施における不安に関する調査結果(個人編 中間報告)を公開しました
~テレワークを実施する取引先のセキュリティ対策に不安を感じる回答者が約5割~
2020年4月に緊急事態宣言が出され、長期間の外出自粛の中でも事業を継続させるためにテレワークやオンライン会議ツールの導入など新しいワークスタイルに取り組む企業が急速に増加しました。その後、緊急事態宣言解除後もテレワークは継続され、今やニューノーマルな働き方として定着しているといえます。
一方、こうした急速な環境変化によるICT環境の整備は、事業継続を優先したことにより十分とは言えず、ニューノーマルな働き方におけるセキュリティの意識及び対策は十分ではないと考えられます。
そこで、IPAは「ニューノーマルにおけるテレワークとITサプライチェーンのセキュリティ実態調査」を実施しました。
本日公開の資料は当該調査の中間報告の位置づけで、個人を対象にWebアンケートを実施した結果です。調査の結果明らかになったポイントは次のとおりです。
1.テレワーク実施経験者が勤務する企業のうち6割が緊急事態宣言後にテレワークを導入
2.緊急事態宣言以降、急速にWEB会議ツールの利用者が拡大
設問:あなたは、会社業務にWeb会議ツール(Skype、Zoom、Microsoft Teams、Webex等)を利用していますか(いましたか)。(n=2,372)
3.テレワーク導入企業に勤務している従業員のうち5割以上が週3回以上のテレワークを実施
設問:あなたはどの程度の頻度でテレワークを実施していますか。(n=1,396)
4.テレワーク頻度によってセキュリティインシデント発生時の対応への不安の傾向に違い
設問:あなたは、テレワーク中にセキュリティインシデントが発生した場合、あなたは、どのような問題が発生すると思いますか。あるいは、発生しましたか。(複数回答)(n=1,296)

図5:テレワーク中のトラブル発生時の対応への不安
完全テレワーク実施者はセキュリティインシデント発生時にマニュアルが参照できないことが不安
週2回以下のテレワーク実施者はセキュリティインシデント発生時の対処方法がわからないことが不安
5.取引先の行動に変化を感じている人は約70%、取引先の行動の変化に不安を感じている人は約75%
設問:あなたが業務で取引先企業とやり取りする際、一年前と比べて取引先企業の行動が変化したと感じることはありますか(複数回答)。(n=2,372)

図6:取引先の行動変化(一年前との比較)(左)と具体的な行動変化(右)
オンライン会議の増加(52.3%、1,240人) 、テレワークの導入(37.4%、887人)に伴い、
取引先からの訪問回数が減少(37.1%、879人)し、働き方が大きく変化していることがうかがえる
設問:取引先企業との間の行動が変化したことで、あなたが不安に思っていることはありますか。(複数回答)(n=1,626)

図7:取引先の行動変化に対する不安の有無(左)と具体的な不安の内容(右)
コミュニケーションがとりにくくなったと感じている人が42.0%(683人)で最多
急激な働き方の変化によりコミュニケーションのとりにくさを実感していることがうかがえる
6.テレワークの導入に伴う取引先のセキュリティ対策に不安を感じている人が5割
設問:あなたの会社の取引先企業がテレワークを実施している場合、不安に思っていることはありますか(複数回答)。(n=1,986)

図8:取引先がテレワークを実施することの不安の有無(左)と具体的な不安の内容(右)
情報漏えい時の経路が判明のしにくさに不安を感じている人が27.1%(538人)で最多
テレワークの普及に伴う脅威として対策を強化していく必要がある
なお、本中間報告は2020年12月24日時点の集計結果を元にしています。そのため最終報告の結果とは一部集計値が異なる場合があります。ご容赦ください。
IPA セキュリティセンター セキュリティ対策推進部 小山/森
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