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情報セキュリティ

脆弱性対策情報データベースJVN iPediaの登録状況 [2021年第2四半期(4月~6月)]

独立行政法人情報処理推進機構
最終更新日:2021年07月21日

1. 2021年第2四半期 脆弱性対策情報データベース JVN iPediaの登録状況

 脆弱性対策情報データベース「JVN iPedia( https://jvndb.jvn.jp/ )」は、ソフトウェア製品に関する脆弱性対策情報を2007年4月25日から日本語で公開しています。システム管理者が迅速に脆弱性対策を行えるよう、1)国内のソフトウェア開発者が公開した脆弱性対策情報、2)脆弱性対策情報ポータルサイトJVN(*1)で公表した脆弱性対策情報、3)米国国立標準技術研究所NIST(*2)の脆弱性データベース「NVD(*3)」が公開した脆弱性対策情報を集約、翻訳しています。

1-1. 脆弱性対策情報の登録状況

~脆弱性対策情報の登録件数の累計は129,824件~

 2021年第2四半期(2021年4月1日から6月30日まで)にJVN iPedia日本語版へ登録した脆弱性対策情報は下表の通りとなり、2007年4月25日にJVN iPediaの公開を開始してから本四半期までの脆弱性対策情報の登録件数の累計は、129,824件になりました(表1-1、図1-1)。
 また、JVN iPedia英語版へ登録した脆弱性対策情報は下表の通り、累計で2,301件になりました。

表1-1.2021年第2四半期の登録件数
  情報の収集元 登録件数 累計件数
日本語版 国内製品開発者 3 256
JVN 150 10,151
NVD 2,582 119,417
2,735 129,824
英語版 国内製品開発者 3 251
JVN 38 2,050
41 2,301

図1-1. JVN iPediaの登録件数の四半期別推移


2. JVN iPediaの登録データ分類

2-1. 脆弱性の種類別件数

 図2-1は、2021年第2四半期(4月~6月)にJVN iPediaへ登録した脆弱性対策情報を、共通脆弱性タイプ一覧(CWE)によって分類し、件数を集計したものです。

 集計結果は件数が多い順に、CWE-79(クロスサイトスクリプティング)が264件、CWE-20(不適切な入力確認)が134件、CWE-269(不適切な権限管理)が101件、CWE-787(境界外書き込み)が88件、CWE-200(情報漏えい)が87件でした。
 最も件数の多かったCWE-79(クロスサイトスクリプティング)は、悪用されると偽のウェブページが表示されたり、情報が漏えいしたりするおそれがあります。

 製品開発者は、ソフトウェアの企画・設計段階から、脆弱性の低減に努めることが求められます。IPAではそのための資料やツールとして、開発者が実施すべき脆弱性対処をまとめた資料「脆弱性対処に向けた製品開発者向けガイド(*4)」、開発者や運営者がセキュリティを考慮したウェブサイトを作成するための資料「安全なウェブサイトの作り方 (*5)」や「IPAセキュア・プログラミング講座(*6)」、脆弱性の仕組みを実習形式や演習機能で学ぶことができる脆弱性体験学習ツール「AppGoat(*7)」などを公開しています。

2-2. 脆弱性に関する深刻度別割合

 図2-2はJVN iPediaに登録済みの脆弱性対策情報をCVSSv2の値に基づいて深刻度別に分類し、登録年別にその推移を示したものです。

 2021年にJVN iPediaに登録した脆弱性対策情報は深刻度別に、レベルIIIが全体の22.0%、レベルIIが62.9%、レベルIが15.1%となっており、情報の漏えいや改ざんされるような危険度が高い脅威であるレベルII以上が84.9%を占めています。

 図2-3はJVN iPediaに登録済みの脆弱性対策情報をCVSSv3の値に基づいて深刻度別に分類し、登録年別にその推移を示したものです。

 2021年にJVN iPediaに登録した脆弱性対策情報は深刻度別に、「緊急」が全体の12.8%、「重要」が45.2%、「警告」が39.4%、「注意」が2.6%となっています。

 既知の脆弱性による脅威を回避するため、製品開発者は常日頃から新たに報告される脆弱性対策情報に注意を払うと共に、脆弱性が解消されている製品へのバージョンアップやアップデートなどを速やかに行ってください。

 なお、新たに登録したJVN iPediaの情報を、RSS形式やXML形式(*8) で公開しています。

2-3. 脆弱性対策情報を公開した製品の種類別件数

 図2-4はJVN iPediaに登録済みの脆弱性対策情報をソフトウェア製品の種類別に件数を集計し、年次でその推移を示したものです。2021年で最も多い種別は「アプリケーション」に関する脆弱性対策情報で、2021年の件数全件の約68.4%(3,034件/全4,436件)を占めています。

 図2-5は重要インフラなどで利用される、産業用制御システムに関する脆弱性対策情報の件数を集計し、年次でその推移を示したものです。これまでに累計で2,959件を登録しています。

2-4. 脆弱性対策情報の製品別登録状況

 表2-1は2021年第2四半期(4月~6月)にJVN iPediaへ登録された脆弱性対策情報の中で登録件数が多かった製品上位20件を示したものです。

 本四半期において最も登録件数が多かった製品は前四半期に引き続きクアルコム製品で、460件登録されました。これは2020年に公表された複数のクアルコム製品に関する脆弱性情報を多数登録したためです。また、マイクロソフト社のWindows製品などのOS製品が上位20件中14件を占めています。

 JVN iPediaは、表に記載されている製品以外にも幅広い脆弱性対策情報を登録公開しています。製品の利用者や開発者は、自組織などで使用しているソフトウェアの脆弱性対策情報を迅速に入手し、効率的な対策に役立ててください(*9)

表2-1. 製品別JVN iPediaの脆弱性対策情報登録件数 上位20件 [2021年4月~2021年6月]
順位カテゴリ製品名(ベンダ名)登録件数
1 ファームウェア Qualcomm component (クアルコム) 460
2 OS Fedora (Fedora Project) 115
3 OS Debian GNU/Linux (Debian) 102
4 統合業務パッケージ Oracle E-Business Suite (オラクル) 99
4 OS Microsoft Windows 10 (マイクロソフト) 99
6 OS Microsoft Windows Server (マイクロソフト) 96
7 OS Microsoft Windows Server 2019 (マイクロソフト) 88
8 ミドルウェア MySQL (オラクル) 77
9 ブラウザ Google Chrome (Google) 74
10 OS Microsoft Windows Server 2016 (マイクロソフト) 70
11 OS Android (Google) 67
12 ネットワーク管理ソフトウェア HPE Intelligent Management Center
(ヒューレット・パッカード・エンタープライズ)
64
13 OS Microsoft Windows Server 2012 (マイクロソフト) 63
13 その他 Backports SLE (openSUSE project) 63
15 OS Microsoft Windows 8.1 (マイクロソフト) 62
16 OS Microsoft Windows RT 8.1 (マイクロソフト) 61
17 OS openSUSE Leap (openSUSE project) 60
18 OS Microsoft Windows 7 (マイクロソフト) 57
19 OS Microsoft Windows Server 2008 (マイクロソフト) 56
20 OS Cisco IOS XE (シスコシステムズ) 46

3. 脆弱性対策情報の活用状況

 表3-1は2021年第2四半期(4月~6月)にアクセスの多かったJVN iPediaの脆弱性対策情報の上位20件を示したものです。

 本四半期の1位は2014年に公開したphpMyAdminに関する脆弱性対策情報でした。なお、これは特定の組織から機械的と思われる多くのアクセスがあったためです。また、上位20件中17件が脆弱性対策情報ポータルサイトJVNで公開された脆弱性対策情報でした。

表3-1.JVN iPediaの脆弱性対策情報へのアクセス 上位20件 [2021年4月~2021年6月]
順位IDタイトルCVSSv2
基本値
CVSSv3
基本値
公開日アクセス数
1 JVNDB-2014-003893 phpMyAdmin におけるクロスサイトスクリプティングの脆弱性 3.5 なし 2014/8/25 7,948
2 JVNDB-2021-001381 バッファロー製ルータにおける複数の脆弱性 なし 4.3 2021/4/28 7,278
3 JVNDB-2021-000031 スマートフォンアプリ「ぐるなび」におけるアクセス制限不備の脆弱性 4.3 3.3 2021/4/14 7,257
4 JVNDB-2021-001380 バッファロー製の複数のネットワーク機器においてデバッグ機能を有効化される問題 なし 8.8 2021/4/28 7,155
5 JVNDB-2021-000034 WordPress 用プラグイン WP Fastest Cache におけるディレクトリトラバーサルの脆弱性 5.5 3.8 2021/4/27 6,593
6 JVNDB-2021-000030 Aterm WF1200CR、Aterm WG1200CR、Aterm WG2600HS および Aterm WX3000HP における複数の脆弱性 8.3 8.8 2021/4/9 6,580
7 JVNDB-2021-000029 書庫一括操作ユーティリティにおけるディレクトリトラバーサルの脆弱性 4.3 3.3 2021/4/1 6,427
8 JVNDB-2021-000028 複数の Aterm 製品における複数の脆弱性 5.8 8.8 2021/4/9 6,323
9 JVNDB-2021-000033 スマートフォンアプリ「ホットペッパーグルメ」におけるアクセス制限不備の脆弱性 4.3 4.3 2021/4/27 6,264
10 JVNDB-2021-000037 mod_auth_openidc におけるサービス運用妨害 (DoS) の脆弱性 5.0 7.5 2021/5/14 5,908
11 JVNDB-2021-000035 EC-CUBE におけるクロスサイトスクリプティングの脆弱性 6.8 7.1 2021/5/10 5,792
12 JVNDB-2021-001374 トレンドマイクロ株式会社製パスワードマネージャーにおける DLL 読み込みに関する脆弱性 4.4 7.8 2021/4/20 5,559
13 JVNDB-2021-001345 Cosminexus 運用管理機能における情報露出の脆弱性 なし なし 2021/4/13 5,475
14 JVNDB-2021-001344 JP1/VERITAS 製品における脆弱性 なし なし 2021/4/13 5,471
15 JVNDB-2021-000909 yappa-ng におけるクロスサイトスクリプティングの脆弱性 4.3 6.1 2021/4/22 5,261
16 JVNDB-2021-000041 ScanSnap Manager のインストーラにおける DLL 読み込みに関する脆弱性 6.8 7.8 2021/5/21 5,159
17 JVNDB-2021-001343 D-Link 製 DAP-1880AC における複数の脆弱性 なし 5.0 2021/4/12 5,060
18 JVNDB-2021-000908 rNote におけるクロスサイトスクリプティングの脆弱性 4.3 6.1 2021/3/25 5,007
19 JVNDB-2021-000026 富士ゼロックス製複合機およびプリンターにおけるサービス運用妨害 (DoS) の脆弱性 3.3 4.3 2021/3/19 4,985
20 JVNDB-2021-000036 KonaWiki2 における複数の脆弱性 7.5 7.3 2021/5/13 4,971

 表3-2は国内の製品開発者から収集した脆弱性対策情報でアクセスの多かった上位5件を示しています。

表3-2.国内の製品開発者から収集した脆弱性対策情報へのアクセス 上位5件[2021年4月~2021年6月]
順位IDタイトルCVSSv2
基本値
CVSSv3
基本値
公開日アクセス数
1 JVNDB-2021-001345 Cosminexus 運用管理機能における情報露出の脆弱性 なし なし 2021/4/13 5,475
2 JVNDB-2021-001344 JP1/VERITAS 製品における脆弱性 なし なし 2021/4/13 5,471
3 JVNDB-2021-001026 JP1/Automatic Operation における複数の脆弱性 なし なし 2021/2/16 4,121
4 JVNDB-2021-001021 JP1/IT Desktop Management 2 - Manager、 JP1/NETM/Asset Information Managerにおけるアクセス制御不備による脆弱性 なし なし 2021/2/8 4,087
5 JVNDB-2020-004476 JP1/Automatic Job Management System 3 および JP1/Automatic Job Management System 2 における DoS 脆弱性 なし なし 2020/5/18 4,062

注1) CVSSv2基本値の深刻度による色分け

CVSS基本値 = 0.0~3.9
深刻度=レベルI(注意)
CVSS基本値 = 4.0~6.9
深刻度=レベルII(警告)
CVSS基本値 = 7.0~10.0
深刻度=レベルIII(危険)

注2) CVSSv3基本値の深刻度による色分け

CVSS基本値 = 0.1~3.9
深刻度=注意
CVSS基本値 = 4.0~6.9
深刻度=警告
CVSS基本値 = 7.0~8.9
深刻度=重要
CVSS基本値 = 9.0~10.0
深刻度=緊急

注3) 公開日の年による色分け

2019年以前の公開 2020年の公開 2021年の公開

脚注

(*1) Japan Vulnerability Notes:脆弱性対策情報ポータルサイト。製品開発者の脆弱性への対応状況を公開し、システムのセキュリティ対策を支援しています。IPA、JPCERT/CCが共同で運営しています。
https://jvn.jp/別ウィンドウで開く

(*2) National Institute of Standards and Technology:米国国立標準技術研究所。米国の科学技術分野における計測と標準に関する研究を行う機関。
https://www.nist.gov/別ウィンドウで開く

(*3) National Vulnerability Database:NISTが運営する脆弱性データベース。
https://nvd.nist.gov別ウィンドウで開く

(*4) IPA:「脆弱性対処に向けた製品開発者向けガイド」
https://www.ipa.go.jp/security/vuln/report/notice/guideforvendor.html

(*5) IPA:「安全なウェブサイトの作り方」
https://www.ipa.go.jp/security/vuln/websecurity.html

(*6) IPA:「IPA セキュア・プログラミング講座」
https://www.ipa.go.jp/security/awareness/vendor/programming/

(*7) IPA:「脆弱性体験学習ツール AppGoat」
https://www.ipa.go.jp/security/vuln/appgoat/

(*8) IPA:「JVN iPedia データフィード」
https://jvndb.jvn.jp/ja/feed/

(*9) IPA:「脆弱性対策の効果的な進め方(実践編)」
https://www.ipa.go.jp/security/technicalwatch/20150331.html

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本件に関するお問い合わせ先

IPA セキュリティセンター 大友/亀山
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