情報セキュリティ
公開日:2017年8月10日
独立行政法人情報処理推進機構
セキュリティセンター
主に中高生を対象としたセクストーション被害に関する注意喚起
IPAではこれまでにセクストーション(性的脅迫)に関する相談事例の紹介や注意喚起を行ってきました。(脚注1) IPAに寄せられたセクストーションに関する手口は、まず動画アプリと偽り、実際は電話帳の情報を窃取するアプリをインストールさせます。そして、取り交わしたプライベートな写真や動画(脚注2) を、窃取した電話帳(にある友人や知人)に晒す、として金銭を要求するものでした。しかし、中には不正アプリを用いることなく、正規のSNSアプリのメッセージ機能を通じて写真、動画をやり取りした結果、「インターネット上に公開する」と脅迫されているケースもありました。
警察庁・文部科学省では去る6月27日に「夏休みを迎える君たちへ」と題した注意喚起(脚注3) を発表しています。そこでは、SNS上の相手にそそのかされて、プライベートな写真や動画を送ってしまう「自画撮り被害」の危険性を指摘しています。また、この被害は中高生で増加傾向にあり、被害の7割強はスマホを使ったSNS等によるものとのことです。
IPAが実施した「2016年度 情報セキュリティの倫理に対する意識調査」(脚注4) では、“SNSで性的な写真や動画を撮影・投稿する”事に問題がないと思う割合は10代で49.4%となっています。SNSにおける中高生のセクストーション被害が増加している背景には、問題意識の希薄さがあると推察されます。安易にプライベートな写真や動画を撮影、投稿することは、セクストーション被害に遭うリスクを高めます。被害に遭わないよう、今一度、下記の点について注意してください。
(脚注1) 2016年11月10日 安心相談窓口だより: iPhoneユーザを狙った不正アプリによるセクストーション被害が発生
2014年12月の呼びかけ:個人間でやりとりする写真や動画もネットに公開しているという認識を!
(脚注2) 主に自分自身の性的な写真や動画
(脚注3) 2017年6月27日 警察庁・文部科学省:夏休みを迎える君たちへ~ネットには危険もいっぱい
(脚注4) 2016年12月20日 2016年度情報セキュリティの倫理に対する意識調査
IPAにも、保護者の方より、家族がセクストーション被害に遭ってしまったという相談があります。家族を被害に遭わせないためにも、スマホを持たせている中高生など、未成年者がいる家庭においては、改めて下記の様な点について話し合いをしてください。
また、特に初めてスマホを持たせる際に、家庭内でスマホルールを決めておく(脚注5) ことも一考です。例えば、利用時間や使用するアプリを決めておくことなどです。ルールに基づいた利用となるよう、フィルタリングサービス(脚注6) 等を使用し、保護者がスマホに制限をかけることもできます。これにより、アプリのダウンロードや起動の制限が可能になります。
(脚注5) KDDI株式会社:ケータイルールを考えよう
株式会社NTTドコモ: 子どもにスマートフォンを持たせる前に保護者が知っておきたいこと
ソフトバンク株式会社:家族で話そう!お子さまの携帯電話利用のルール
(脚注6) スマホ(アプリを含む)に当該機能が備わっていたり、携帯電話事業者がサービスを提供したりしている。
安心ネットづくり促進協議会 フィルタリングサービスを利用しましょう!
IPAセキュリティセンター 情報セキュリティ安心相談窓口
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2017年8月10日
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