情報セキュリティ
公開日:2022年10月19日
営業秘密の管理や保護に関する様々な情報をお届けして参ります。
一般社団法人JPCERT(ジェイピーサート)コーディネーションセンター
理事 真鍋 敬士
営業秘密官民フォーラムは従来からペーパーレス開催されていますが、私が最初に参加させていただいた当時(2017年)は、他の会合では紙媒体の資料を使うのが一般的でした。事業等で定められた会合では委員にのみ配付される資料もあり、ちょっとした打ち合わせでも何らかの資料を紙媒体で用意するのが慣例でした。
先日、身の回りの整理(深い意味はありません)をして、紙媒体の資料を一斉に廃棄しました。資料の多くは様々な会合で配られたもので、つまり、ほとんどが2020年3月以前のものです。別の見方をすると、直近2年間の相当する資料の多くはネットを介して配付されているわけですから、パソコンからアクセスできる場所に残置されている可能性があるということでもあります。
紙媒体の資料は受け取った後に意図せず複製が増えることはありませんし、シュレッダーにかければ廃棄を完結することができます。一方で、デジタル媒体は原本や複製に損失を与えることなくコピーすることができますし、サーバーやパソコンに意図しない複製が残っていることもあります。
サイバー攻撃事案では脆弱性への対応遅れのような、侵害のきっかけを作った問題が注目されがちです。でも、サイバー攻撃とは無関係に管理区域外に置かれてしまったファイルをめぐって、それをサイバー攻撃の被害対象として扱わざるを得なくなるという事態は珍しいことではありません。
そんなことはわかりきったことですし、これまでずっと対策に取り組んできたはずです。確かに、理屈の上ではそうだと思いますが、今般の急激かつ極端な変化に対してそれを鑑みる余裕がどれほどあったでしょうか。課題としての本質は従来から大きく変わるものではありませんので、潜在的な被害対象がこれまでの経験値が低い領域に広がっていることについての注意をどのように喚起していくかが悩ましいところです。
傷感のある技術的な対策に留まらないことが肝要かと思いますので、営業秘密官民フォーラムのみなさまをはじめ、様々な取り組みからアイデアをいただければと考えております。
弁護士知財ネットからの「訴訟・判決コラム」は、今回はお休みです。
過去の掲載記事は、弁護士知財ネット 営業秘密メルマガコラムをご覧ください
2022年10月12日(日本時間)に脆弱性の修正プログラムが公表されました。CVE-2022-41033の脆弱性についてはMicrosoft社が「悪用の事実を確認済み」と公表しており、今後被害の拡大が懸念されるため、早急に修正プログラムを適用してください。
詳細は2022年10月のMicrosoft製品の脆弱性対策についてをご確認ください。
制御システムにおいてネットワークセキュリティリスクに対応する必要性がますます増大している状況の中、制御システムに侵入検知製品導入を検討する時の円滑な導入方法・有効な運用方法等、導入に役立つ情報を提供する資料です。
詳細は「産業用制御システム向け侵入検知製品の実装技術の調査」報告書(PDF:1.1 MB)をご確認ください。
米国国家安全保障局(NSA)から9月に公開された、耐量子計算機暗号アルゴリズムスイート(CNSAスイート2.0)のアップデートに関する文書の和訳を公開しました。
詳細は次のリンク先でご確認ください。
独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT:インピット)では、大切な秘密情報を巡るよくあるトラブル事例や、営業秘密として管理する手法についてまとめた研修動画を、当館のeラーニングサイトIPePlatに公開しました。
営業秘密について学びたい、これから営業秘密管理に取組もうという方向けの内容で、無料でご視聴頂けます。
動画は「営業秘密管理」eラーニングコンテンツよりご覧いただけます。
ジェトロでは、営業秘密の保護・管理体制の導入を図る日本企業現地法人を対象に、各国の法制度の通じた現地の専門家を派遣しコンサルテーションや社内研修を行う事業を中国、タイ、ベトナム及びインドネシアで実施します。
初めて営業秘密管理に取組む企業から、管理体制の点検・見直しを図りたい企業まで、幅広くお使いいただけるように、サービス内容は支援対象企業のニーズにあわせてオーダーメイドでご提供いたします。
事業の詳細、申請書は次のリンク先よりご確認いただけます。
知的財産戦略本部において、政府における知財戦略や知財施策を取りまとめた「知的財産推進計画2022」が決定されました。「知的財産推進計画2022」では、営業秘密に関する施策についても掲載されています。
詳細は知的財産推進計画2022(PDF)をご確認ください。
不正競争防止法の講義等において、不正競争防止法の概要とともに紹介・説明させていただいておりました秘密情報の保護ハンドブックについて、改訂版を公表いたしました(令和4年5月)。
関連する法制度・ガイドラインの見直しに伴う修正、営業秘密・情報環境をとりまく「環境の変化」に伴う修正や、「重要な秘密情報の多様性」を考慮した修正などが今回の改訂の中心です。
資料は、経済産業省ウェブサイトからダウンロード可能です。
また、ご希望の方には冊子をお届けするため、準備が整い次第、知財室ホームページからの請求受付も開始予定です。
冊子の送付についてをご覧ください。
「秘密情報の保護ハンドブックのてびき」も引き続き掲載しております。
営業秘密 営業秘密を守り活用するをご確認いただき、ご活用いただけますと幸いです。
平成30年改正によって、企業が保有・活用する「情報」の保護を、営業秘密と相互補完的に守る不競法上の枠組みとして、限定提供データに関する規定が創設されました。従前より、限定提供データの定義や不正競争に該当する要件等について、一つの考え方を示すものとして「限定提供データに関する指針」を公表しておりましたが、この度、規定の創設時からの実務の進展、デジタル化の進展等を踏まえて、指針の改訂を行いました(令和4年5月)。
改訂した「限定提供データに関する指針」は限定提供データに関する指針(PDF)からご覧いただけます。
知財室では、その他のデータ利活用に関する資料についても経済産業省ウェブサイトにて公表しております。
データ利活用の留意点を網羅的に説明した詳細版で、データ利活用のQ&Aや企業の成功事例を載せた冊子です。
データ利活用のエッセンスをまとめた概要版で、データ利活用に取り組み始めたい方向けの冊子です。
データ利活用のポイント集を基に企業のデータ利活用の事例を詳細に記載した事例集です。
データ利活用を始めたいが何から始めて良いかわからない、データ利活用においてどのような点に気をつければ良いか等の疑問をお持ちの方は是非ご覧ください。
トップセールスでうっかり、取引先からの要請に答えたら、展示会でアピールし過ぎて、など営業秘密で"やりがち"な企業の失敗をYouTube動画で公開中です。
累計再生4,370回。見て欲しい方はもっとたくさんいます。
「そういえば自社の営業秘密って、大丈夫なのかな。」と思った方、必見です。
YouTubeで公開中の動画
・第1弾 【この話、自分には関係ない本当にそう】トップセールスでのうっかり
・第2弾 【取引先からの思いがけない提案】苦渋の判断が生んだ悲劇
・第3弾 【会社総出でアピールしたら】展示会の落とし穴
経団連は2021年10月に、報告書「副業・兼業の促進 働き方改革フェーズ2とエンゲージメント向上を目指して」を公表しています。
副業・兼業は、働き手と企業、双方にとって有益な施策であるため、経団連としても推進しています。副業・兼業の施策を推進する際の留意点は多岐にわたりますが、「機密(秘密)漏洩の防止」も重要です。「機密(秘密)漏洩」の恐れがある場合は、副業・兼業を制限することを就業規則や申請書、誓約書に明記しておくなど、各社はさまざまな工夫を講じています(本文18ページ参照)。
15社の具体的な対応事例(25ページ以降)も掲載しておりますので、ぜひご覧いただければ幸いです。
詳しくは経団連ウェブサイトからご覧ください。
不正競争防止法のテキスト最新版を、知財室のページからご覧いただけます。
また、不正競争防止法について説明会をしてほしいなどのご要望がございましたら、知的財産政策室までご連絡をお願いします。
知財室員がご説明に伺います。
独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT:インピット)が運営する「知財ポータル」にて、「取引先から我が社のノウハウの提供を求められている。どうしたらよい。」といった、営業秘密管理におけるよくある質問を一問一答形式のFAQとしてとりまとめています。
詳しくは営業秘密・知財戦略よりご覧ください。
知的財産戦略アドバイザーが企業の実情に合わせた秘密情報の管理体制(例えば、書類・記録媒体の管理方法、電子データの管理等)の整備をご支援いたします。
地方自治体や中小企業支援機関が主催するセミナー・講演会、中小企業における社内研修等への講師派遣も無料で実施しており、ご好評いただいております。是非ご活用ください。
登壇予定のセミナーは各種支援機関セミナー情報(令和3年度)でお知らせしております。
お問い合わせ:
E-mail:trade-secret@inpit.go.jp
いつもつぼマガをご愛読いただきありがとうございます。
経済産業省知的財産政策室の金見でございます。
残暑も落ち着き、いよいよ秋らしくなってきました。
私の出身地と比べると、東京は夜でも明るくにぎやかですが、この時期の夜空は星や月がとても綺麗に見え、毎日のささやかな楽しみになっています。
寒暖差の大きい日が続きますが、体調を崩さないよう温かくしてお過ごしください。
さて、既にご存じの方も多いかもしれませんが、今年度も知的財産政策室では「不正競争防止法テキスト」をリバイスしております。微修正につき、2022年度版は製本化せず、経済産業省ウェブサイト内不正競争防止法2022(PDF)でのみの公表となりました。
冊子版、電子版ともに、引き続き不正競争防止法の全体像に関する概要資料としてお役立ていただければ幸いです。
「つぼマガ」第76号をお読みいただき、ありがとうございました。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)セキュリティセンター
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