情報セキュリティ
公開日:2022年9月21日
営業秘密の管理や保護に関する様々な情報をお届けして参ります。
公安調査庁 経済安全保障特別調査室
室長 近智徳
公安調査庁は、従来から、懸念国等による軍事転用可能な物資・技術を狙った調達活動や我が国に対する諜報活動、サイバー攻撃等に対する情報収集・分析に取り組んでいるところ、昨今の経済安全保障に関する国内外の関心の高まりを受け、技術・データ・製品の流出等に関する調査体制を更に強化しています。
我が国においても、懸念国が適正な経済活動や研究活動を装って標的となる企業や大学等に接近し、これら企業・大学等が意図しない技術等の流出が起きてしまった事案が発生しています。我が国から技術等が流出した場合、企業・大学等が有する技術的優位性が失われるおそれがあるだけでなく、大量破壊兵器の研究・開発等に転用されるおそれもあります。
こうしたリスクを認識した上で、官民が連携して技術等の流出を未然に防止することが何よりも重要です。
公安調査庁では、経済団体・企業・大学等に対する講演や個別の意見交換を通じて、具体的な技術流出の事例や働きかけの手口等の知見を共有しています。本年6月には、日本経済団体連合会と共催で、FBIの特別捜査官をスピーカーに迎え、経済安全保障シンポジウムを開催しました。
今後もこうしたアウトリーチ活動を通じて、技術等の流出の防止に貢献していきたいと考えています。
また、当庁ホームページでは、経済安全保障に関するパンフレットを公表しており、上記の事例や手口の一端のほか、不審なアプローチを受けた場合の対応など、実際の企業活動等の中で直面する可能性のある問題にも焦点を当てています。同ページには、企業・大学等関係者の皆様向けの窓口の連絡先を記載しておりますので、ご相談や講演のご依頼等がございましたら、ぜひご連絡いただけますと幸いです。
弁護士知財ネットからの「訴訟・判決コラム」は、今回はお休みです。
過去の掲載記事は、弁護士知財ネット 営業秘密メルマガコラムからご覧ください
2022年9月14日(日本時間)に脆弱性の修正プログラムが公表されました。
CVE-2022-37969の脆弱性については Microsoft社が「悪用の事実を確認済み」と公表しており、今後被害の拡大が懸念されるため、早急に修正プログラムを適用してください。
詳細は次をご確認ください。
トレンドマイクロ(株)が提供する表記のセキュリティ対策製品について複数の脆弱性が存在し、サービス妨害や情報窃取等の様々な影響を受ける懸念があります。本件も悪用の事実を確認済みであるため、早急にパッチを適用することが望まれます。
詳細は次をご確認ください。
IPAに届け出のあった被害事例を集計し、特筆すべき事例を解説しています。Emotetの被害状況、その他のウイルス感染の事例やランサムウェアによるサイバー攻撃の状況等を整理・紹介しています。
詳細は次をご確認ください。
INPITでは、大切な秘密情報を巡るよくあるトラブル事例や、営業秘密として管理する手法についてまとめた研修動画を、当館のeラーニングサイトIPePlatに公開しました。
営業秘密について学びたい、これから営業秘密管理に取組もうという方向けの内容で、無料でご視聴頂けます。
動画は「営業秘密管理」eラーニングコンテンツのページより確認いただけます。
ジェトロでは、営業秘密の保護・管理体制の導入を図る日本企業現地法人を対象に、各国の法制度の通じた現地の専門家を派遣しコンサルテーションや社内研修を行う事業を中国、タイ、ベトナム及びインドネシアで実施します。
初めて営業秘密管理に取組む企業から、管理体制の点検・見直しを図りたい企業まで、幅広くお使いいただけるように、サービス内容は支援対象企業のニーズにあわせてオーダーメイドでご提供いたします。
事業の詳細、申請書は次のリンク先よりご確認いただけます。
知的財産戦略本部において、政府における知財戦略や知財施策を取りまとめた「知的財産推進計画2022」が決定されました。
「知的財産推進計画2022」では、営業秘密に関する施策についても掲載されています。
詳細は次をご確認ください。
不正競争防止法の講義等において、不正競争防止法の概要とともに紹介・説明させていただいておりました秘密情報の保護ハンドブックについて、改訂版を公表いたしました(令和4年5月)。
関連する法制度・ガイドラインの見直しに伴う修正、営業秘密・情報環境をとりまく「環境の変化」に伴う修正や、「重要な秘密情報の多様性」を考慮した修正などが今回の改訂の中心です。
資料は、経済産業省ホームページからダウンロード可能です。
また、ご希望の方には冊子をお届けするため、準備が整い次第、知財室ホームページからの請求受付も開始予定です。
「秘密情報の保護ハンドブックのてびき」も引き続き掲載しております。
次のリンク先をご確認いただき、ご活用いただけますと幸いです。
平成30年改正によって、企業が保有・活用する「情報」の保護を、営業秘密と相互補完的に守る不競法上の枠組みとして、限定提供データに関する規定が創設されました。従前より、限定提供データの定義や不正競争に該当する要件等について、一つの考え方を示すものとして「限定提供データに関する指針」を公表しておりましたが、この度、規定の創設時からの実務の進展、デジタル化の進展等を踏まえて、指針の改訂を行いました(令和4年5月)。
改訂した「限定提供データに関する指針」は限定提供データに関する指針(PDF)からご覧いただけます。
知財室では、その他のデータ利活用に関する資料についてもホームページにて公表しております。
データ利活用の留意点を網羅的に説明した詳細版
データ利活用のQ&Aや企業の成功事例を載せた冊子です。
データ利活用のエッセンスをまとめた概要版
データ利活用に取り組み始めたい方向けの冊子です。
データ利活用のポイント集を基に企業のデータ利活用の事例を詳細に記載した事例集です。
データ利活用を始めたいが何から始めて良いかわからない、データ利活用においてどのような点に気をつければ良いか等の疑問をお持ちの方は是非ご覧ください。
トップセールスで張り切った社長のうっかり、取引先からの要請を渋々ながらも受け入れたことで起こった悲劇、展示会で会社総出でアピールしたら大失敗。
営業秘密に関して、いかにも”やりがち”な企業の失敗をYouTube動画で公開中です。累計再生4,000回。まだまだターゲットに届いていません。自社のノウハウ管理が気になる皆さま、必見です。
・第1弾 【この話、自分には関係ない本当にそう】トップセールスでのうっかり
・第2弾 【取引先からの思いがけない提案】苦渋の判断が生んだ悲劇
・第3弾 【会社総出でアピールしたら】展示会の落とし穴
経団連は2021年10月に、報告書「副業・兼業の促進 働き方改革フェーズ2とエンゲージメント向上を目指して」を公表しています。
副業・兼業は、働き手と企業、双方にとって有益な施策であるため、経団連としても推進しています。
副業・兼業の施策を推進する際の留意点は多岐にわたりますが、「機密(秘密)漏洩の防止」も重要です。「機密(秘密)漏洩」の恐れがある場合は、副業・兼業を制限することを就業規則や申請書、誓約書に明記しておくなど、各社はさまざまな工夫を講じています。(本文18ページ参照)
15社の具体的な対応事例(25ページ以降)も掲載しておりますので、ぜひご覧いただければ幸いです。
詳しくは次のリンク先よりご覧ください。
不正競争防止法のテキスト最新版を、知財室ホームページにて公表しております。
次のリンク先からご覧いただけます。
また、不正競争防止法について説明会をしてほしいなどのご要望がございましたら、知的財産政策室までご連絡をお願いします。
知財室員がご説明に伺います。
INPITが運営する「知財ポータル」にて、「取引先から我が社のノウハウの提供を求められている。どうしたらよい。」といった、営業秘密管理におけるよくある質問を一問一答形式のFAQとしてとりまとめています。
詳しくは知財総合支援窓口 知財ポータルの営業秘密・知財戦略よりご覧ください。
知的財産戦略アドバイザーが企業の実情に合わせた秘密情報の管理体制(例えば、書類・記録媒体の管理方法、電子データの管理等)の整備をご支援いたします。地方自治体や中小企業支援機関が主催するセミナー・講演会、中小企業における社内研修等への講師派遣も無料で実施しており、ご好評いただいております。是非ご活用ください。
登壇予定のセミナーは次のリンク先でお知らせしております。
お問い合わせは、次をご参照ください。
E-mail:trade-secret@inpit.go.jp
いつもつぼマガをご愛読いただきありがとうございます。
本年6月より、経済産業省知的財産政策室に着任いたしました菊地と申します。
工学部の出身で、大学・大学院では、半導体材料に関する研究をしており、日々、実験に明け暮れておりました。所属していた研究室では、自作の装置で試料を作ることがあったのですが、ある時、その自作の装置で、とても特性の優れた試料が得られました。学会や論文で成果を発表すると多くの研究者が興味を持ち、その研究分野の界隈を少し賑わせました。もちろん、装置の原理や構造については論文や学会で公開している情報だったのですが、こういった装置を他人が真似して作っても、わずかな違いで実験を再現するのが難しいということがあります。
研究室の教授は、興味をもった他大学や企業の研究者に装置を見せることを断っていたのですが、それに業を煮やしたのか、ある研究者が遠路はるばるアポなしで研究室を訪問して「装置を見せてくれ」と迫ってきました。やむなく装置を見せると、その研究者は非常に簡素、もとい見た目のみすぼらしい装置をご覧になって、とてもがっかりされていました。
実は、他の研究者に装置をお見せするのを断っていたのは、素人の学生が作った装置の見た目があまりにも悪いからであって、何か特殊なノウハウを隠したかったわけではなかったのです。
所属していた研究室の恥ずかしい秘密が暴かれたのは単なる笑い話ですが、メルマガを読まれている皆様の会社の中には外部に絶対に知られてはならない秘密情報が多く蓄積されているかと思います。その際は、ぜひ当室が公表しています秘密情報の保護ハンドブックをご活用ください。
「つぼマガ」第75号をお読みいただき、ありがとうございました。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)セキュリティセンター
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03-5978-7513
皆様のご意見、ご要望などをお待ちしております。
ご意見およびご要望は、次のアドレスにメール願います。