デジタル人材の育成
公開日:2026年5月29日
本プロジェクトはリザバーコンピューティング(RC)に特化した専用コンパイラを開発し計算資源の限られた環境でも高効率な推論を実現することを目的とする。RCは学習コストが小さく時系列予測や異常検知に適した機械学習手法である一方で固定ランダム重みを持つリザバー層や状態更新ループを中心とする実行形態など既存の深層学習モデルとは異なる構造的特徴を有する。そのためマイコンなどの低リソース環境へのデプロイを目的とする一般的な深層学習向け最適化ツールの恩恵を十分に受けられないという課題が残されている。
そこで本プロジェクトではPythonで記述可能なRC向けDSLを設計しLLVM/MLIRを基盤とする専用方言を通じてRCモデルからターゲット環境に応じた最適化コードを生成する。さらにJIT実行を用いた高速な評価により量子化ビット幅やスケーリング係数などのパラメータを自動探索し推論精度と計算量のバランスを最適化する。これにより浮動小数点演算処理装置を持たない安価なマイコン上でも高速・低消費電力かつ高精度なRC推論を実現することを目指す。開発した技術の有効性は最適化を行わないベースライン実装や既存の深層学習向け最適化ツールとの比較により評価する。
低資源のマイコンに組み込むRCを想定し、RCの軽量化のために専用コンパイラを開発する事業であり、高い未踏性があると思います。計算性能と計算効率の間のトレードオフを意識しながら目標設定を定めることが必要かと思います。また、具体的な応用例を検討することが期待されます。
2026年5月29日
2026年度採択プロジェクト概要(原田PJ)を掲載しました。