デジタル人材の育成

未踏事業ご紹介冊子:コンテンツピックアップ(4)

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未踏事業をご紹介する冊子「MITOU: Ingenious Creators ITで切り拓く未来」から、[特集2]拡がる未踏エコシステムをピックアップしました。

さまざまな分野で活躍する修了生の姿を、インタビューと共に紹介します。

拡がる未踏エコシステム 様々な分野をリードする未踏修了生4 教育

教育

我が国の将来を担う次世代の育成にも、未踏人材は貢献しています。IT分野での教育推進に加え、教育そのものにITを活用するEdTech(エドテック)にも尽力しています。

例えば、未踏でインタラクティブな幼児向けソフト「ピッケ」シリーズの初作に取り組んだ朝倉民枝氏(2004年度)は、我が国におけるSTEM(ステム)教育のパイオニアの一人として注目されています。STEM(ステム)教育教材の開発/販売を手掛けるスイッチエデュケーション社長の⼩室真紀氏(2009年度)も未踏人材の一人です。

鵜飼佑氏(2011年度)は、マイクロソフトの教育関連製品PMや文部科学省プログラミング教育プロジェクトオフィサーなどを務め、現在は未踏ジュニア代表として若く才能あふれた人材の発掘・育成に尽力しています。

⻘⽊俊介氏(2008年度)は、代表を務める「しっぽのついたクッション型ロボットQoobo(クーボ)」の開発などで知られるユカイ工学で小学生ロボコン公式キットを開発して提供するなど、児童を対象にしたロボット教育に力を注いでいます。

ゲームをハックすることでプログラミングを学ぶ教材の開発に取り組んだ寺本⼤輝氏(2015年度)は、その成果を事業化したハックフォープレイで児童のプログラミング教育に新風を吹き込んでいます。

そのほか、未踏ジュニアメンターを務める鈴⽊遼氏(2013年度)、教育機関向け動画編集ソフトを開発するLoiLoの杉⼭⻯太郎氏杉山浩⼆氏(いずれも2006年度)など、デジタル世代の育成で多くの未踏人材が活躍しています。

Interview 朝倉 民枝氏

朝倉 民枝氏の写真

Tamie Asakura

朝倉 民枝氏

クリエータ
株式会社グッド・グリーフ 代表取締役

2004年度未踏事業採択。大阪教育大学中学校課程美術学科を卒業後、1991年より3DCG制作を開始。2001年に子供たちの創造表現活動を支援するピッケシリーズの開発を始める。2013年NHKEテレ「てれび絵本」で「ピッケとがーこ」放映。日本子ども学会理事。神戸教育短期大学客員教授。

デジタルな絵本作りを通じて 子供たちの想像力と創造力を拡げる

お話づくりソフト「ピッケのつくるえほん」

「ピッケ」という子ブタの男の子を媒体に、子供の創造表現活動、特に“言葉と物語の創造表現”の支援に20年間取り組んできました。現在はお話づくりソフト「ピッケのつくるえほん」を使い、主に子供や親子を対象にした絵本作りワークショップを行っています。

「ピッケのつくるえほん」は、子供たちがキャラクターの顔表情を選んでポーズを付け、“ごっこ遊び”をするようにお話づくりを楽しめるソフトです。自分で考えた物語を音声で録音し、デジタル絵本として再生したり、印刷して紙の絵本にしたりして家族や友だちと物語をシェアすることができます。

子供は想像の世界で遊ぶことを大いに楽しみます。楽しい遊びを通して豊かな言葉を育むことが、人としての礎を築き、幸せな人生を歩む助けになると考えています。また、これからの社会を作っていく子供たちが、生来もつ可能性や想像力、そして創造力をエンパワーしてくれるコンピュータと、幸せに出会い親しむきっかけになればとも思っています。

「ピッケのつくるえほん」は2008年にPC版を出して以降、Facebookアプリ、iPad版と3つのプラットフォームを移ってきました。これから先も長く安定して続けていくために、次の技術への移行を模索中です。コードを書くのに秀でた仲間を募り協力を得て、より間口が広く敷居の低いプラットフォーム上に創造の場を継続できる仕組みを作りたい、併せて子供たちが創った作品を発表できる場も提供していきたいと考えています。