デジタル人材の育成

2026年度未踏ターゲット事業(リザバーコンピューティング技術を活用したソフトウェア開発分野)採択プロジェクト概要(北島PJ)

公開日:2026年5月29日

1.担当プロジェクトマネージャー

  • 河合 祐司(大阪大学 先導的学際研究機構 准教授)

2.採択者氏名

  • 北島 琉斗(九州大学 大学院システム情報科学府 情報理工学専攻)

3.採択金額

  • 3,960,000円

4.プロジェクト名

  • リザバーコンピューティングを活用したAI認証システムの開発

5.応募枠

  • 通常枠

6.関連Webサイト

  • なし

7.申請プロジェクト概要

本プロジェクトでは、コンピュータの操作主体が攻撃者へ切り替わるセッション乗っ取りを早期に検知するため、リザバーコンピューティング(RC)を活用した継続的な行動バイオメトリクス認証基盤を開発する。
既存の顔認証・指紋認証・多要素認証はログイン時点の本人確認には有効だが、認証突破後に「今操作している主体が正当か」を継続的に保証する仕組みとしては不十分である。キーストロークダイナミクスを用いた継続認証は深層学習による高精度化が進んでいるが、端末上での常時推論に伴う計算負荷・電力消費・クラウド集約型設計のプライバシーリスクが課題となっている。一方、RCはネットワーク侵入検知など一部のセキュリティ領域への応用が報告されているものの、行動バイオメトリクスによる継続認証への応用はほとんど進んでおらず、この領域には開拓の余地が大きいと考える。
本提案では、RCの軽量性を活かし、キーストローク時系列やマウストラッキング、センサ入力を端末内で逐次処理して本人らしさをスコア化し、スコアの連続的低下時のみ追加認証を要求する段階制御により、通常時の利便性を保ちつつ防御強度を高めることを目指す。
期待される効果として、深層学習の常時稼働で課題となりやすい計算負荷・電力消費を抑えた低遅延の常時認証、オンデバイス完結による生体・行動データの非外部送信、乗っ取り検知遅延の数秒オーダー化、エッジでの個人に合わせた再学習が考えられる。
本プロジェクトはRCとサイバーセキュリティの融合領域に継続認証の実装系を提示し、宇宙開発・医療機器・産業用ロボット・重要インフラ等の高リスク環境への展開を目指す。

8.採択理由

リザバーコンピューティングを用いて、タイピングの時系列などの動的な情報から個人の認証システムを開発する挑戦的な提案であり、革新的な認証システム開発が期待される。従来の指紋などを用いた静的な認証システムに加え、本提案の動的な認証システムを扱うことで、継続的・逐次的にセキュリティを高められると考えられる。本提案システムでどれだけ高精度に個人認証が可能か検討するとともに、従来の認証システムと組み合わせた場合のシステムの全体像(例えば、多段階認証)も検討してほしい。

更新履歴

  • 2026年5月29日

    2026年度採択プロジェクト概要(北島PJ)を掲載しました。