デジタル人材の育成

2026年度未踏ターゲット事業(量子コンピューティング技術を活用したソフトウェア開発分野)採択プロジェクト概要(平井・藏本・大川・金井PJ)

公開日:2026年5月29日

1.担当プロジェクトマネージャー

  • 田中 宗(慶應義塾大学 サスティナブル量子AI研究センター センター長/理工学部 物理情報工学科 教授)

2.採択者氏名

  • 平井 伸幸(株式会社日立コンサルティング 社会イノベーションドメイン AI&スマートインダストリーディビジョン テクノロジー戦略室)
  • 藏本 航(株式会社電通デジタル インテグレーテッド・ソリューション領域DDCR)
  • 大川 大空翔(株式会社電通 ビジネストランスフォーメーション・クリエイティブセンター)
  • 金井 啓太(東京藝術大学 大学院映像研究科 ゲーム・インタラクティブアート専攻 助教)

3.採択金額

  • 3,960,000円

4.プロジェクト名

  • 量子アニーリングの「翻訳装置」としてのゲーム開発とその社会実装検証

5.応募部門

  • ベーシック部門

6.応募枠

  • 応用・実用化枠

7.関連Webサイト

  • なし

8.申請プロジェクト概要

私たちは量子アニーリングの普及に向け、2025年度に回避最適化ゲーム「AFTER・IMAGE」を開発し、台北ゲームショウで体験型コンテンツの成立性を実証しました。2026年度はこの取組を発展させ、量子アニーリング技術の「体験型社会実装モデル」確立と妥当性検証を目的に以下の成果を創出します。
①量子特性の高度化:アニーリングマシンの特性をゲーム構造に深く組み込み、体験価値を向上させます。
②継続的デモンストレーション:国内外のイベントや学会へ出展し、多様な層へアプローチします。
③データ分析による価値検証:プレイデータ等の収集・分析を通じ、技術理解促進の有効性を証明します。
このように「遊び」そのものを正しく追求するプロセスが、量子アニーリングを理解する学習体験へと繋がり、ひいてはテクノロジーの本質や効用を理解する重要な手がかりとなると確信しています。

9.採択理由

前年度に量子アニーリング駆動型ゲーム「AFTER・IMAGE」を実装し、台北ゲームショウにおける連続稼働と試遊を通じて体験型コンテンツとしての成立性を実証した実績を基盤に、その知見を「情報の引き算」という明確な設計思想へと昇華させた継続提案であり、PoCから社会実装検証フェーズへの明快なステップアップが高く評価できる。特に、初年度に顕在化した「量子ゆらぎが単なるランダム性と誤認されかねない」という表現上の構造的課題を正面から引き受け、説明ではなくUI・グラフィック・身体感覚を通じて直感的理解を促す「翻訳装置」としての完成度を追求する姿勢は、単なる技術デモに終わらない作品性への強い意志を示している。加えて、提案チームの企図する体験の深化と社会実装の検証を両輪で進める構成は極めて周到である。提案チームは、数理最適化、ゲームエンジニアリング、メディアアート、アートディレクションという相互補完的な専門性と、前年度プロジェクトで実証された遂行能力を備えており、本提案の実現可能性は極めて高い。アルス・エレクトロニカ等の国際的アワードを視野に入れた挑戦もあわせ、量子コンピューティング技術と表現文化の交差領域において新たなロールモデルが生み出されることを、大いに期待している。

更新履歴

  • 2026年5月29日

    2026年度採択プロジェクト概要(平井・藏本・大川・金井PJ)を掲載しました。