デジタル人材の育成

未踏IT人材発掘・育成事業:2025年度採択プロジェクト概要(横井・四反田・松尾PJ)

公開日:2025年6月25日

1.担当プロジェクトマネージャー

  • 稲見 昌彦(東京大学 総長特任補佐 先端科学技術研究センター 副所長・教授)

2.採択者氏名

  • 横井 総太朗(東京大学 大学院情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻)
  • 四反田 直樹(東京大学 大学院情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻)
  • 松尾 健登(東京大学 大学院情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻)

3.採択金額

  • 2,880,000円

4.プロジェクト名

  • 自己表現のためのモジュール型ソーシャルロボットの開発基盤の構築

5.関連Webサイト

6.申請プロジェクト概要

本プロジェクトでは、自己表現やコミュニケーションを重視したモジュール型ソーシャルロボットを開発する。
ロボットや通信技術の発達により、テレプレゼンスという技術が登場した。これは遠隔地のロボットを操作し、自分が実際にはその場にいなくても、まるでその場にいるかのように行動できる技術である。現在のテレプレゼンスロボットは既製品が多く、ユーザが自分らしさを反映しにくい課題がある。一方、VRのようなアバター空間では自由な自己表現が可能である。そこで本プロジェクトでは、この豊かな自由度をテレプレゼンスロボットに導入するために、ディスプレイ、アクチュエータ、移動、センサの機能をもつ立方体状のモジュールを開発し、ユーザがこれらを組み合わせることで自由にロボットを設計できるようにする。ユーザはモジュールの組み立て、3Dモデルへの埋め込み、日用品への貼り付けという3つの方法で、自分の好みに合ったロボットを作成できる。また、人体にはない身体構造(尻尾など)の動きを再現するため、座標空間のマッピングに加えて周波数空間でのリズムベースの動作生成アルゴリズムを開発する。
本システムを、個人のアイデンティティを自由に表現できる新しいソーシャルロボットプラットフォームとして確立し、コミュニティによってモジュールが活発に提案される世界の実現を目指していく。

7.採択理由

テレイグジスタンス技術は宇宙や建設現場など、特殊環境下での社会実装が着実に進んでいる。しかし、日常的なコミュニケーション支援という身近な用途への展開は、いまだ十分ではない。
本提案は、モジュール型ロボットを自在に組み替えることで多様なコミュニケーション形態に対応させるとともに、独自のアルゴリズムによってユーザの意図や動作を精緻にロボットに反映させようとする、極めて意欲的な試みである。
ハードウェアとソフトウェアの融合を通じ、個人ごとに最適化された新たなソーシャルロボットの誕生に繋がることを期待し、採択とした。

更新履歴

  • 2025年6月25日

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