デジタル人材の育成
藤井 彰人(KDDI株式会社 サービス企画本部 クラウドサービス企画開発部長)
チーフクリエータ
Perez Hernandez Daniel (東京大学大学院 情報理工学系研究科・創造情報学専攻)
コクリエータ
林 佑磨 (早稲田大学大学院 基幹理工学研究科 情報理工・情報通信専攻)
コクリエータ
曽根岡 侑也 (東京大学大学院 工学系研究科技術経営戦略学専攻)
近年の消費者行動の変化から、消費者をパートナーとして捉えて、中長期的な関係を築き、エバンジェリストやコアカスタマーと呼ばれる層を厚くする共創マーケティングが注目を浴びている。
北米では数年前から、中長期的な関係を築く場として、共創コミュニティと呼ばれる顧客と対話するオウンドメディアを持つ企業が増えてきている。これらの共創コミュニティの中に、消費者が改善点やアイデアを自由に投稿・投票するユーザサポートコミュニティがある。「どの顧客の声をサービスに反映するか」という意思決定を速やかにし、多くの実績を残すことがコミュニティ活性化する上で必要となる。当然ながら、このような意思決定は容易ではなく、蓄積したデータを解析し、いかに意味情報を抽出するかが重要となる。しかし、現状として、収集したデータに対して、簡単な集計は行われているが、テキストマイニングやアクセスログを用いた高度な解析は行われていない。
本プロジェクトでは、ユーザサポートコミュニティのプラットフォームと、そのプラットフォーム上で蓄積したデータから意思決定を補助する解析結果をリアルタイムに出力するシステムを開発する。
将来的には、企業と消費者の橋渡しになるだけではなく、企業の商品開発・改善のスピードを加速させ、マーケティング面からサポートしていくことを目指す。
コミュニティドリブンのマーケティングや、共創マーケティングなど、インターネットやウェブテクノロジー、モバイルテクノロジーの発展と、ユーザ行動の購買までの行動パターンの変化によりマーケティング手法は大きく変化している。
本プロジェクトは、企業や団体が共創マーケティングを活用・実現するためのSaaSの開発を目指しており、市場ニーズやビジネスへの発展性が高く、採択すべきと判断した。
クリエーターの開発能力の高さは過去の実績からも明らかであり、実用性の高いグローバルに通用するサービスの開発をめざしてもらいたい。