デジタル人材の育成
公開日:2025年6月30日
医師の偏在・不足は医療の持続可能性における深刻な課題である。患者は医療機関の受診のため時間的・経済的な負担を負い、医師不足の現場では少数のスタッフに業務負担が重くのしかかる。この課題に対して、本プロジェクトは、医師の不足が深刻な医療現場において、遠方の医師と地域の医療従事者をAIエージェントが支援するシステムでつなぎ、医師の診療機能を支援・代替することを目指す。医師とAIの協業を前提としたシステム構築により、遠方の医師が医学知識の提供を行い、AIエージェントが情報の整理やシステム上でのコミュニケーションを支援することで効率的に医療現場を支援する。これにより誰もが必要な医療につながることができる新たな医療インフラを構築する。
「医療にアクセスできず取り残される患者がいる」—専門医不足の地域では、複数受診の負担が患者に、他科連携の手間が現場にのしかかる。この二重苦に対し、本提案は「診断と治療判断は医師、情報整理と対話ファシリテートはAIエージェント」という現実的分担で挑む。既にプロトタイプの開発や専門医との連携体制の構築が進められ、成果も出ており、開発から検証、事業化までの道筋が明確である。さらに、提案者は医療現場の課題に対する深い理解と、専門医ネットワークとの強固な連携を有しており、現場のニーズを的確に捉えた実装が可能である。限られたリソースの中で救われる人を増やすという課題に対し、このチームなら道を切り拓けると強く期待する。
2025年6月30日
2025年度上期採択プロジェクト概要(澤野・竹内・キャメロンPJ)を掲載しました。