デジタル人材の育成
公開日:2025年5月28日
本プロジェクトは、リザバーコンピューティングを用いて犬猫の動画から「呼吸数」等のバイタルデータを非接触で測定、及び異常検知が出来るアプリの開発を行う。当アプリ上で簡単に呼吸数を測定できることにより、飼い主による犬猫の体調管理に定量的な視点を加えることを目的とする。
既存の非接触で犬猫のバイタルデータを取得する手法は、体毛の少ない皮膚が直接見える部分を撮影する必要があるため、犬猫が安静時に丸まってしまい皮膚が見えない体勢の場合は、人間が犬猫の体勢を調整する必要がある。
本プロジェクトではこうした制約を解消してアプリの利便性を高めるため、安静時の犬猫に対して非接触で呼吸数を測定するために動画のフレーム画像を時系列データとして扱い、画像処理とリザバーコンピューティングを用いることで、皮膚が見えない体勢であっても有効な呼吸数の測定と異常検知の仕組みを実装する。
当アプリは、家庭や犬猫カフェで飼育されている犬猫の体調管理で活用されることを想定しており、アプリ上で定量的に体調を管理することで、体調の異変の見逃しを防ぐことが期待できる。
将来的には、当アプリにて家庭や店舗といった個別の飼育環境に最適な体調チェックの仕組みを提供することで、犬猫の病気の早期発見に貢献する。こうした軽量AI技術に基づく動物医療効率化の推進は、飼育環境での人手不足や飼い主の知識不足を補い、さらには獣医師の不足という社会課題の解決にもつながることが期待される。
本事業に取り組む強い動機と意欲を持っているように感じられた。専用計測器を使わずスマホで動物の疾患を早期検知できる技術開発は具体的で未踏性が高く、将来的にサービスとして広く展開できる可能性を持ち、社会性も大きい。準備状況も含め開発期間に適した事業計画となっている。
2025年5月28日
2025年度採択プロジェクト概要(澁田PJ)を掲載しました。