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2025年度未踏ターゲット事業(リザバーコンピューティング技術を活用したソフトウェア開発分野)採択プロジェクト概要(深水PJ)

公開日:2025年5月28日

1.担当プロジェクトマネージャー

  • 香取 勇一(公立はこだて未来大学 システム情報科学部 複雑系知能学科 教授)

2.採択者氏名

  • 深水 智史(九州工業大学 大学院生命体工学研究科)

3.採択金額

  • 3,960,000円

4.プロジェクト名

  • NeuMoReservoir -神経細胞の形態が生み出す時空間ダイナミクス-

5.応募枠

  • 通常枠

6.関連Webサイト

  • なし

7.申請プロジェクト概要

脳は多くの神経細胞を有する複雑なシステムである。脳と人工知能の類似性について議論が活発化しているが、個々の神経細胞が多様な空間形状(形態)を有するという点において、脳は現行のエコーステートネットワークや深層ニューラルネットワークと異なる。申請者は、リザバーコンピューティングの視点を通して、多様に異なる神経形態を統一的に捉えることができないかと考えた。本プロジェクトでは、形態データに基づく神経細胞モデルを用いたリザバーコンピューティングを提案し、その性能評価を行うことで、予測性能に寄与する形態の特徴を明らかにする。これによって、神経細胞の機能と形態の関係性の理解を深め、予測性能を最大化する形態データの人工的な合成可能性を検討する。更には、開発したソフトウェアをオープンソースとして公開することで、脳の情報処理における神経形態の重要性を広く共有し、新たな脳型人工知能モデルの開発を目指す。

8.採択理由

本提案は、「1つのニューロン(神経細胞)だけでリザバーコンピューティングを実現できるか」という挑戦的な課題に取り組むものであり、学術的にも非常に注目されています。すでに神経細胞の細かな構造を取り入れたモデルによるシミュレーションが行われており、アイデアの実現性が示されています。単一の細胞がどのように情報処理を行っているのかを明らかにすることは、脳の仕組みを模倣した新しい計算手法につながる可能性があり、意義のある研究です。
また、この研究は、少ない計算資源でも処理が行えるようになることや、小型の機器への応用など、工学的な利点も期待されています。新しい計算技術の開発につながる研究として、今後の成果が大いに楽しみです。

更新履歴

  • 2025年5月28日

    2025年度採択プロジェクト概要(深水PJ)を掲載しました。