デジタル人材の育成
石黒 浩
近年様々なウェアラブルデバイスが開発されているが、足部に加速度や地磁気センサを取り付けると、足の速度や向きが分かり、姿勢が頻繁に変わるスマートフォンよりも正確に歩行状態を検知できる。また足裏に取り付けた複数の振動アクチュエータの振動の強さを調整すれば、2次元的な情報を直感的に伝えられる。このようにして、目や耳や手に依存しないインタフェースとすれば、画面を注視できない場面や、手を離せない場面での様々な応用が考えられる。
本プロジェクトでは、足で情報伝達するインソール型デバイスおよびそれを活用したアプリケーションを開発する。主な特徴として以下の2点が挙げられる。
センサによる足部情報の入力
センサを用いて人体からデバイスに足部の情報を入力する。特に、センサの値から読み取られる足の特徴的な動作を検知することを想定している。
皮膚感覚の刺激による人体への直感的な情報出力
足部への刺激によって、情報を伝達する。特に、振動アクチュエータを使用した情報出力を想定している。
これら入出力の仕様をまとめて、それらを活かしたアプリケーションを開発し、汎用性を持ったデバイスを生みだす。
またデバイス完成後には、本デバイスの入出力の仕様を公開し、他の開発者によるアプリケーション開発を促す。
クリエータの開発能力は高く、完成度の高い成果が得られると期待できる。しかしながら、提案内容は既にあるシステムとの違いが少なく、未踏期間中にオリジナリティのある使い方を見つけることが必要である。例えば入力デバイスとしての機能を実装するというような工夫がほしい。