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未踏アドバンスト事業:2025年度上期実施プロジェクト概要(西谷・平良・尾島・緒方PJ)

公開日:2025年6月30日

1.担当プロジェクトマネージャー

  • 首藤 一幸(しゅどう かずゆき)
  • 京都大学 学術情報メディアセンター 教授

2.採択者氏名

  • 西谷 颯哲(東京都立産業技術高等専門学校 ものづくり工学科 AIスマート工学コース /株式会社ToI Nexus代表取締役)
  • 平良 文哉(東京都立産業技術高等専門学校 ものづくり工学科 AIスマート工学コース /株式会社ToI Nexus役員)
  • 尾島 睦月(東京都立産業技術高等専門学校 ものづくり工学科 情報システム工学コース /株式会社ToI Nexus 役員) 
  • 緒方 宏太朗(東京都立産業技術高等専門学校ものづくり工学科電気電子工学コース)

3.契約金額(税抜)

  • 16,000,000円

4.プロジェクト名

  • 電話での特殊詐欺被害を防ぐシステムの開発

5.関連Webサイト

6.プロジェクト概要

本プロジェクトでは、通話音声をクラウド上でAIによって解析し、特殊詐欺の疑いがある通話を検知した際に利用者に音声や光による警告を行うことで、リアルタイムに特殊詐欺被害を防止できるシステムを搭載した、特殊詐欺の検知・警告デバイスを開発する。
日本国内の特殊詐欺の被害総額はこれまでに700億円を超えており、抑止対策は喫緊の課題となっている。中でも被害の約7割が高齢者を対象とした固定電話経由の特殊詐欺であり、依然として固定電話が主要な特殊詐欺の手段となっている実態がある。従来のサービスでは、通話内容の検知は通話終了後に行われるため、リアルタイムでの被害の防止は困難であり、また、専用の回線や機種、及び、設置工事が必要であり、導入コストの高さもハードルとなっている。
そこで本プロジェクトでは、固定電話に後付け可能で、ハードウェアコストを抑えた、実用性と経済性を両立したデバイスの開発を目指す。
具体的には、従来エッジ側で実行していた音声データの解析処理をクラウド上で実行することで、最低限のマシン実装を実現し、家庭の固定電話に簡単に取り付けが可能で、安価なデバイスを開発する。
また、近年のスマートフォンを通じた特殊詐欺被害の拡大に対応するため、固定電話向けに構築した詐欺検知アルゴリズムを基盤として、スマートフォン向けアプリケーションの開発も同時に行う。
本プロジェクトにより、AI技術を活用して特殊詐欺被害を未然に防止し、誰もが安心して通話ができる社会環境の構築に寄与することが期待できる。プロジェクトの初期段階では、被害件数・金額ともに多い固定電話領域に注力し、段階的にスマートフォンを用いた通話などへ対応範囲を拡大することで、全世代を対象とした包括的な特殊詐欺対策の実現を目指す。

7.採択理由

かかってきた電話が詐欺であることを検知して高齢者などを詐欺から守るハード・ソフトを開発する提案である。強い思いと情熱を備えたイノベータ達は、プロトタイプの開発、試用、課題の洗い出しなど、やるべきことは何でも貪欲に進めている。技術的な改良や携帯電話対応などはもちろん進めるとして、普及活動・事業化も期待している。

更新履歴

  • 2025年6月30日

    2025年度上期採択プロジェクト概要(西谷・平良・尾島・緒方PJ)を掲載しました。