デジタル人材の育成

未踏アドバンスト事業:2025年度上期実施プロジェクト概要(大森・勝又PJ)

公開日:2025年6月30日

1.担当プロジェクトマネージャー

  • 梶田 真実(かじた まみ)
  • 株式会社Singular Perturbations 代表取締役CEO

2.採択者氏名

  • 大森 高明(非公開)
  • 勝又 雅史(MK GeekLab LLC)

3.契約金額(税抜)

  • 16,000,000円

4.プロジェクト名

  • クラウド連携型 地図SDK統合プラットフォームの開発

5.関連Webサイト

  • なし

6.プロジェクト概要

地図アプリケーション開発の効率化とコスト削減を目的に、クラウド連携型地図SDK統合プラットフォームの開発を行う。複数の主要地図SDKを抽象化・統合し、共通APIで操作可能にすることで、開発者が「地図上にデータを表示・活用する」という本質的な作業に集中できる環境を提供する。

開発者は特定のSDKの仕様や煩雑な処理から解放され、本来注力すべき「地図上にデータを表示し、活用する」という本質的な作業に集中ができるようになる。コード構文の共通化に伴うライブラリの統一化、再利用性の向上、モバイルアプリへの地図機能の容易な組み込み、Android/iOS間の実装差異の吸収、高度なGIS機能やリアルタイム位置情報共有、オフライン対応などを可能にすることを目指す。
地図データの表示とデータの管理を分離することで、開発者とデータの運用者の責務を分離し、非エンジニアや中小事業者・自治体でもデータを活用できる仕組みを実現する。まさに「地図アプリ開発のためのKubernetes」として機能し、地図SDK選定の自由度向上と開発負担の軽減を図る。

最終的には、技術的に詳しくない人でも手軽に地図システムを導入できる環境を提供し、地図開発の民主化を推進して、誰もが最適な地図技術を活用できる世界の実現を目指す。MVP(Minimum Viable Product)開発とクローズドαテストを経て、商業化の可能性を探る計画である。

7.採択理由

提案は、「地図開発のKubernetes化」という、極めて本質的かつ未踏性の高いソフトウェアプロジェクトである。複数の地図SDKを抽象化・統合し、アプリ開発者が地図機能の複雑さから解放されるという構想は、まさに「GIS技術の民主化」を目指すものであり、今まで誰もなし得なかった挑戦である。
提案者らは、それぞれ高い専門性を持ち、上位レイヤから低レイヤまでを分担しつつ進める補完的なチーム体制を組んでおり、開発力・実績・実行力すべてにおいて申し分ない。既にプロトタイプも完成しており、実現可能性も高い。
大手プラットフォーマーには取り組みにくい「SDK横断の共通基盤」という領域だからこそ、スタートアップの機動力を生かすべきであり、社会的にも「世の中にあるべきソフトウェア」として大きなインパクトを持ちうる。未踏アドバンスト事業の場で支援し、技術と構想の魅力をより多くのユーザー・開発者へ届ける基盤に成長させたい。世界中の地図をつなぎ、誰もが自由に使える未来へ──この挑戦にぜひご一緒したいと強く思った。

更新履歴

  • 2025年6月30日

    2025年度上期採択プロジェクト概要(大森・勝又PJ)を掲載しました。