デジタル人材の育成
公開日:2025年6月30日
本プロジェクトでは、バリスタの主観的な感覚に依存していた従来のコーヒー豆の評価手法に代わり、香りセンサーによる客観的な空気質データを活用して、豆の品質を定量的に判定するシステムを開発する。
コーヒー豆は、収穫年や焙煎度によって風味が大きく変化するため、従来の評価手法では一貫した品質管理が難しいという課題がある。また、豆の品質をバリスタ自身が評価するサンプリングと呼ばれる工程では、大量の豆を対象に主観的評価が行われており、比較の精度や再現性にも限界がある。
そこで、本プロジェクトでは香りセンサーによって取得できる空気質の多次元データを活用し、客観的かつ再現性の高い品質評価を実現する。さらに、開発した技術をもとに事業者と連携して実証実験を行い、香り情報を顧客に提示し、好みの香りを探求できるインターフェースのプロトタイプ開発を進める。
加えて、一般消費者の香りに対する評価を収集する場として、実店舗型の体験カフェを運営し、香りに対する印象評価ラベル付きデータを収集する。そしてこのデータを製品開発やマーケティング戦略へ活用し、香りによる飲食体験の向上を目指す。
本プロジェクトは、従来バリスタの主観的感覚に依存してきたコーヒー豆の品質評価を、香りセンサーと機械学習を融合した客観的手法に革新するものである。コーヒー豆は収穫年や焙煎度により風味が大きく変動し、従来の方法では安定した品質管理が難しいという課題があった。本提案では、半導体式香りセンサーによって多次元の香りデータを収集し、機械学習で処理することで、香りの揺らぎや強度、類似度の客観的評価を可能にしている点に独創性と高い未踏性があると評価した。さらに、明確な開発計画と実証実験のスケジュールに加え、企業連携や消費者参加型のデータ活用体制も整っており、社会実装に向けた高い実現性が期待される。以上の理由から、本プロジェクトを採択とした。
2025年6月30日
2025年度上期採択プロジェクト概要(岡田・長谷川・中川・鈴木PJ)を掲載しました。