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未踏アドバンスト事業:2025年度上期実施プロジェクト概要(岡田・長谷川・中川・鈴木PJ)

公開日:2025年6月30日

1.担当プロジェクトマネージャー

  • 原田 達也(はらだ たつや)
  • 東京大学 先端科学技術研究センター 教授

2.採択者氏名

  • 岡田 拓真(フリーランス)
  • 長谷川 泰斗(筑波大学 人間総合科学学術院 人間総合科学研究群/フラー株式会社 デザイングループ)
  • 中川 飛来(三重大学大学院生物資源研究科共生環境学専攻 修士2年)
  • 鈴木 広大(非公開)

3.契約金額(税抜)

  • 16,000,000円

4.プロジェクト名

  • バリスタのサンプリング業務を高度化するコーヒー豆解析システムの開発

5.関連Webサイト

  • なし

6.プロジェクト概要

本プロジェクトでは、バリスタの主観的な感覚に依存していた従来のコーヒー豆の評価手法に代わり、香りセンサーによる客観的な空気質データを活用して、豆の品質を定量的に判定するシステムを開発する。
コーヒー豆は、収穫年や焙煎度によって風味が大きく変化するため、従来の評価手法では一貫した品質管理が難しいという課題がある。また、豆の品質をバリスタ自身が評価するサンプリングと呼ばれる工程では、大量の豆を対象に主観的評価が行われており、比較の精度や再現性にも限界がある。
そこで、本プロジェクトでは香りセンサーによって取得できる空気質の多次元データを活用し、客観的かつ再現性の高い品質評価を実現する。さらに、開発した技術をもとに事業者と連携して実証実験を行い、香り情報を顧客に提示し、好みの香りを探求できるインターフェースのプロトタイプ開発を進める。
加えて、一般消費者の香りに対する評価を収集する場として、実店舗型の体験カフェを運営し、香りに対する印象評価ラベル付きデータを収集する。そしてこのデータを製品開発やマーケティング戦略へ活用し、香りによる飲食体験の向上を目指す。

7.採択理由

本プロジェクトは、従来バリスタの主観的感覚に依存してきたコーヒー豆の品質評価を、香りセンサーと機械学習を融合した客観的手法に革新するものである。コーヒー豆は収穫年や焙煎度により風味が大きく変動し、従来の方法では安定した品質管理が難しいという課題があった。本提案では、半導体式香りセンサーによって多次元の香りデータを収集し、機械学習で処理することで、香りの揺らぎや強度、類似度の客観的評価を可能にしている点に独創性と高い未踏性があると評価した。さらに、明確な開発計画と実証実験のスケジュールに加え、企業連携や消費者参加型のデータ活用体制も整っており、社会実装に向けた高い実現性が期待される。以上の理由から、本プロジェクトを採択とした。

更新履歴

  • 2025年6月30日

    2025年度上期採択プロジェクト概要(岡田・長谷川・中川・鈴木PJ)を掲載しました。