デジタル人材の育成

未踏アドバンスト事業:2025年度上期実施プロジェクト概要(郡司・近藤・佐々木PJ)

公開日:2025年6月30日

1.担当プロジェクトマネージャー

  • 藤井 彰人(ふじい あきひと)
  • KDDI株式会社 執行役員 先端技術統括本部長 兼 先端技術企画本部長

2.採択者氏名

  • 郡司 大輝(慶應義塾大学 総合政策学部/株式会社StormStory 代表取締役)
  • 近藤 祐綺(慶應義塾大学 環境情報学部/株式会社StormStory 代表取締役)
  • 佐々木 雄大(株式会社StormStory 取締役/Y7 Technology合同会社 代表取締役)

3.契約金額(税抜)

  • 15,522,500円

4.プロジェクト名

  • ポストメディア型SNS時代の自然体SNSと、一次データ基盤の構築によるAI活用

5.関連Webサイト

  • なし

6.プロジェクト概要

本プロジェクトは、友人同士の写真撮影・共有体験を軸に、自己演出から解放された自然体の魅力を引き出すSNSプラットフォームの構築と、そこから得られる一次画像データを活用した技術の研究を目的とする。

背景には、既存のSNSが“映える”コンテンツを前提とするメディア型に偏重し、ユーザーが「発信者」であることを求められる構造への疲弊がある。自撮りや加工が前提となる中で、日常の何気ない瞬間や他者との関係性に根ざした表現が失われつつある現状に対し、他者の視点から自分を再発見できる環境が求められている。

現在公開中のアプリでは、友人が撮影した写真・動画を顔認識によって本人のもとに自動送信し、受け取った本人が「投稿」「保存」「非公開」のいずれかをワンタップで選択可能な仕組みを備えている。撮影者側には保存権限が与えられず、あくまで“撮られた本人”にコンテンツの管理権限を集中させることで、プライバシーと発信の自由を両立している。また、撮影された写真は本人のプロフィールに集まり、友人の視点で構成される自然な魅力が可視化される新しいプロフィールの在り方を提示している。

本プロジェクト期間中には、アプリの継続的な改善に加え、蓄積される一次画像データを活用した本人識別技術を始めとするAI技術の応用を進める。これにより、広告収益に依存するメディア型のSNSを回避し、一次データの基盤を元にしたAI技術を価値とする事業モデルの構築を目指す。

7.採択理由

Z世代ならではの、「自撮り」ならぬ「他撮り」SNS 提案。
SNS疲れや広告メディア化など、SNS ネイティブ世代の課題意識からの、新たなサービス提案であり、これまでにないサービスの実現を期待したい。
事業面や技術面でまだ課題は多いものの、既にユーザテストを実施し、また大学を跨いだアンバサダーによるイベント実施などリアルな面でも積極的に活動しており、サービスの実現可能性も高いと考え採択した。未踏ADコミュニティを巻き込んだ、大きな飛躍に期待したい。

更新履歴

  • 2025年6月30日

    2025年度上期採択プロジェクト概要(郡司・近藤・佐々木PJ)を掲載しました。