デジタル人材の育成

未踏アドバンスト事業:2025年度上期実施プロジェクト概要(門脇PJ)

公開日:2025年6月30日

1.担当プロジェクトマネージャー

  • 藤井 彰人(ふじい あきひと)
  • KDDI株式会社 執行役員 先端技術統括本部長 兼 先端技術企画本部長

2.採択者氏名

  • 門脇 宗平(フリーランス)

3.契約金額(税抜)

  • 7,000,000円

4.プロジェクト名

  • プライバシーファーストな記憶支援アシスタントの開発

5.関連Webサイト

  • なし

6.プロジェクト概要

情報過多な現代社会において、個人が知識を効果的に管理するためのPKM(Personal Knowledge Management)ツールが注目されている。しかし、多くのツールは利用者の能動的な情報整理を前提とし、その負担は決して小さくない。AI技術を用いてこの負担を軽減する試みも存在するが、その多くはクラウドベースモデルに依存し、個人情報のデータ安全性に関する懸念が存在する。

本プロジェクトはこれらの課題に対し、「自律的な情報整理」と「リアルタイムな関連情報支援」を、「プライバシーファースト」の原則のもとで実現する。その主要な手段として、個人環境で完結する情報処理アーキテクチャを構想し、PKMツールに蓄積された情報を、利用者の思考の流れに沿って動的に再構成する新たな記憶支援システムの開発を目指す。

本プロジェクトの技術的挑戦は、限られた計算資源の下で、高精度な情報解析と即時的な応答性を両立させる点にある。そのために、個人環境で動作する軽量な情報解析モデルの性能を最大限に引き出す独自の情報構造化技術と、効率的なリアルタイム解析手法を開発する。これにより、利用者は意識的な検索行為から解放され、自身の知識が持つ潜在的価値を自然な形で引き出すことが可能となる。

最終的には、個人の知的生産性向上に留まらず、チームや組織における集合知の安全な活用基盤へと発展させ、情報活用の新たな形を社会に提案する。

7.採択理由

ローカルなLLMを活用して、新しいパーソナルナレッジマネジメント(PKM)ツールを開発し提供しようとする提案。
LLMの進化拡大により、PKM領域においてもChatGPTなど有力なAIサービスを活用した新たな情報活用が進んでいる。一方で、パーソナル情報を含むあらゆる情報が外部LLMサービスに共有される状況から、プライバシーやガバナンスの問題が生じている。本提案はローカルLLMを用い、プライバシー問題だけでなくリアルタイムレスポンスによる新たな価値提供を目指す提案であり、その先進性から採択した。実装能力もあり、未踏ADでの本サービス実現に期待したい。

更新履歴

  • 2025年6月30日

    2025年度上期採択プロジェクト概要(門脇PJ)を掲載しました。