2025年度未踏ターゲット事業(量子コンピューティング技術を活用したソフトウェア開発分野)採択プロジェクト概要（福島・渡邉・佐々木・井ノ上・岡﨑 ・伍井PJ）

1．担当プロジェクトマネージャー

• 徳永 裕己（日本電信電話株式会社 コンピュータ&データサイエンス研究所 特別研究員 博士（理学））

2．採択者氏名

• 福島 誠人（東京大学 大学院理学系研究科 物理学専攻）
• 渡邉 悠稀（東京大学 大学院理学系研究科 物理学専攻）
  
• 佐々木 大地（東京大学 大学院理学系研究科 物理学専攻）
• 井ノ上 慎一（東京大学 大学院工学系研究科 物理工学専攻）
  
• 岡﨑 晃一（東京大学 大学院理学系研究科 物理学専攻）
  
• 伍井 直輝（東京大学 大学院理学系研究科 物理学専攻）

3．採択金額

• 3,960,000円

4．プロジェクト名

• 誤り訂正操作を組み込んだ測定型量子計算のコンパイラ開発

5．応募部門

• ベーシック部門

6．応募枠

• 通常枠

7．関連Webサイト

• なし

8．申請プロジェクト概要

測定型量子計算（MBQC）は、高度にエンタングルしたリソース状態の生成とその測定で量子計算を行う方式である。特に光量子コンピュータにおいてMBQCが注目されており、高いスケーラビリティが期待される一方、誤り訂正を組み込んだ大規模実装が課題となっている。従来考えられていたMBQCの物理命令セットのみでは誤り訂正機能を十分に扱えず、異なるアーキテクチャ間の比較評価基盤も整備されていない。本プロジェクトでは、従来の命令セットを拡張して誤り耐性MBQCコンパイラを開発し、アルゴリズムから物理命令への一貫した変換を可能にする。またノイズモデルを導入したシミュレータを構築し、リソース消費量や忠実度、実行時間などを評価できるプラットフォームを提供することで、今後の光量子コンピュータハードウェア開発の指針を提示するとともに、将来的な汎用誤り耐性量子コンパイラへの発展も視野に入れる。

9．採択理由

測定型量子計算に特化したコンパイラは、今後特定の物理系において重要になっていく可能性があり有益な課題である。実際の物理系を考慮した場合に起こる確率的な現象などをどのようにうまく組み込んで最適化をおこなっていくか今後の検討を期待したい。コンパイラとシミュレータのサブチームもありメンバも豊富なため、うまく融合して機能するチームとなることを期待する。