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社会基盤センター

「ソフトウェア開発分析データ集2020」の発行

2020年9月30日公開
独立行政法人情報処理推進機構
社会基盤センター

ソフトウェア開発の定量データの収集、分析を行い、分析データ集として公開しました。

これまでに収集した5,066プロジェクトの定量データからソフトウェアの信頼性を中心に分析しています。また本編とは別に業種編3編、サマリー 版、マンガ解説版も同時に公開しています。

概要

近年、ソフトウェアの社会システムへの適用領域の拡大に伴い、ソフトウェア開発における信頼性向上に対するニーズは高まっています。このニーズに対応するために技術者の経験と勘に頼った方法ではなく、実際のプロジェクトデータに基づいた開発プロセスの改善を行う定量的なプロジェクト管理が必要で、IPA 社会基盤センターではエンタプライズ分野のソフトウェア開発データを収集・分析してまとめた「ソフトウェア開発データ白書(以下データ白書)」を2005年から発行しています。

今回はこのデータ白書の装いを一新し「ソフトウェア開発分析データ集2020(以下分析データ集)」として発行しました。これまでに収集したデータ数は今回で初めて5,000件を超え、5,066件になりました。分析データ集では、データ白書であまり見られていない図表などは省略しコンパクトにすることで読みやすくし、開発プロセスに依存しない普遍的なメトリクスである信頼性を中心に分析しました。今回の分析でも前回のデータ白書で紹介した「信頼性は向上するも生産性は低下」という傾向がありました。またプロジェクト数の多い、3つの業種(金融・保険業/情報通信業/製造業)を対象に、本編の分析項目と同一の分析を行った業種編も発行しました。

そして分析データ集2020のサマリーをコンパクトにまとめ、編集可能な形式で公開しました。これにより再利用しやすくなり、自部門などでソフトウェア開発のデータ分析の啓蒙や教育などに利用できます。

さらにソフトウェア開発におけるデータ分析の初心者のために、分析データ集の副読本として「マンガでわかるソフトウェア開発データ分析を公開しました。4コママンガと解説からなる構成で、統計の入門やソフトウェア開発の定量データの相場観などを紹介しています。これは分析データ集が難しくとっつきにくい読者にとって羅針盤となるものです。

ソフトウェア開発分析データ集の活用メリットと主な特徴

本書の対象者 ユーザー企業およびベンダー企業でソフトウェア開発現場に携わり、プロジェクトから収集したデータの精査・分析を実施する方、開発プロジェクトデータの組織的活用サイクルを推進する管理部門の方
活用のメリット 分析データ集を外部ベンチマーク(*1)として活用することにより、プロジェクト計画立案時の参考や、プロジェクト計画の妥当性を確認することができます。
分析データ集での分析方法や結果を参考にすることで、自社の強み、弱みを知り、組織の成熟度に応じた定量的管理を適切に進めることが可能となります。

分析例

ここでは分析データ集の分析例を紹介します。下図はSLOC規模で計測している新規プロジェクトの信頼性(リリース後の不具合密度)の散布図と箱ひげ図になります。

これらのデータを前回のデータ白書と比較すると、信頼性の向上が傾向として見られます。

ソフトウェア開発分析データ集2020

2004年から蓄積した業種全体の開発データ(5,066件)の主な要素の経年推移のグラフを掲載。 収集データのプロファイルや、ベンチマークとして使用できる基本的項目(工数、工期、規模、生産性、信頼性等)について、直近6年間のデータ1,512件から算出した分析結果を掲載。また一部のデータについては5,066件の分析結果を掲載。

<活用方法>
業種全体での分析結果に基づくベンチマーキング(*2)。

ソフトウェア開発分析データ集2020業種編3種(金融・保険業/情報通信業/製造業)

本編と同等の基本的項目(工数、工期、規模、生産性、信頼性等)について、直近6年間のデータ1,512件から、業種ごとに算出した分析結果を掲載。

ソフトウェア開発分析データ集2020サマリー版

分析データ集2020のサマリーを掲載。編集可能な形式で公開することで再利用が容易。

マンガでわかるソフトウェア開発データ分析

データ分析一般とソフトウェア開発データ分析の入門と分析データ集の読解力を付けるために4コママンガで解説。

ダウンロード

脚注

(*1)
ベンチマーク:特定のITプロジェクトのパフォーマンスが、組織内外のITプロジェクトと比較して どのレベルに位置するかを評価するため、比較対象として利用する組織内外の参照情報。
(*2)
ベンチマーキング:良い成績を収めているプロジェクト群と比較し、それらのやり方(開発プロセス、マネジメント・プロセス、組織の特性等)を参考にして、自組織の業務改善及び組織の改善を進めること。

本件に関するお問い合わせ先

IPA 社会基盤センター
産業プラットフォーム部 コネクテッドインダストリーズグループ
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