社会・産業のデジタル変革
公開日:2025年2月28日
デジタルアーキテクチャ・デザインセンター
独立行政法人情報処理推進機構デジタルアーキテクチャ・デザインセンターは、経済産業省と共同でウラノス・エコシステムの取組における技術的な参照文書である「Whitepaper: ウラノス・エコシステム・データスペーシズ リファレンスアーキテクチャモデル」を公開しました。
本ホワイトペーパーは、ウラノス・エコシステムにおいて、企業・業界・国境を横断した産業分野でのデータ連携及び利活用に関するリファレンスアーキテクチャを公開するものであり、データスペースの階層構造モデルをはじめとした技術的なパラダイム及び今後の展望を示す参照文書です。本書により、データスペースの構築に向けたオープンな機会が提供され、ウラノス・エコシステムが産業界に広く浸透することを企図しています。
本書は、ウラノス・エコシステムにおけるサービス主導のデータスペースの構築に向けたオープンな機会を提供し、様々な主体の参画を促すとともに、相互運用性を図っていくために、今後のシステム実装で参照する技術文書とすることを企図しています。
本書は、ウラノス・エコシステムにおける取組に賛同する国内外における幅広い産業を対象に、エンタープライズ領域におけるデータ連携に係るアーキテクチャ設計を担当する者を典型にした、企業の開発部門及びデータマネジメント部門に所属する設計・開発責任者並びに研究機関に所属する者等を主要な読者として想定しています。
本書の中では、ウラノス・エコシステムにおける一連の取組の重要な柱のひとつであるデータスペースの取組を対象とし、以下の3つの項目について取り扱います。
Ouranos Ecosystem Dataspaces Reference Architecture Model (ODS-RAM)
産業界がデータスペースの社会実装を早急に進めるためのサービスライフサイクルに焦点をおいたアーキテクチャモデルであり、データ連携及び利活用の5つのプロセスにおける13の構造的課題に対して、柔軟に産業や市場の構造、商慣習の特性を踏まえながら4つの疎結合なレイヤと4つのパースペクティブで解決するアプローチを示すものです。
ODS-RAMで示すレイヤ・パースペクティブは、データ連携及び利活用のステップにおいて生じている13の問題それぞれを以下の関係性で解決します。
ODSプロトコルの参照実装として現時点で提供予定のオープンソースソフトウェアの仕様を公開するものです。
多種多様なデータスペーシズの確立に向けて、ODS-RAM(V1)の設計に当たり、データ連携・利活用の適合シミュレーションを事業開発と並行して実施し、それぞれに求められる機能の抽象化を実施した事例について、現時点での情報整理と今後の展望を掲載するものです。
ODS-RAMで提示するプロトコルの詳細な仕様については、今後の実証などを踏まえ、2025年度を目途に「ODSプロトコル仕様書」を具体化する予定です。また、プロトコル仕様を参照実装したOSS(オープンソースソフトウェア)コンポーネントや、開発者に向けたSDK(ソフトウェア開発キット)、ドキュメンテーション等についても、来年度以降順次公開を予定しています。
また、本書で示すリファレンスアーキテクチャモデル及びODSプロトコル仕様書の社会実装推進に向けて2025年度中にシステム開発やアプリケーションサービス提供等を行うベンダならびにユーザ企業・行政機関のシステム開発部門及びデータマネジメント部門の実務者に向けた「ODS構築・運用ガイドブック」及び各産業における企業の企画・事業部門や行政機関等の実務者を想定した「ODS導入ガイドブック」を公開するとともに、産業界を広く含むデータスペース参加者に向けた入門の手引きやナレッジスタックを随時公開していく予定です。
ウラノス・エコシステムにおける取組の一環として、ODS-RAMは今後も産業動向を踏まえながら継続的なバージョンアップデートを行ってまいります。本件に関するお問い合わせは以下の連絡先へお寄せください。
本件に関するお問い合わせは以下の連絡先へお寄せください。
IPA デジタルアーキテクチャ・デザインセンター
2025年2月28日
ウラノス・エコシステム・データスペーシズ リファレンスアーキテクチャモデルのホワイトペーパーを公開しました。