社会・産業のデジタル変革
公開日:2020年12月22日
最終更新日:2025年6月17日
独立行政法人情報処理推進機構
デジタル基盤センター
デジタル技術を活用して企業のビジネスを変革し、自社の競争力を高めていく「デジタルトランスフォーメーション(DX)」が注目を集めています。経済産業省が2018年9月に公開した「DXレポート」は、DXを円滑に進めるには、ユーザ企業、ITベンダが双方の間で新たな関係を構築していく必要があると提言しています。そのために、DXの進展によるユーザ企業とITベンダのそれぞれの役割の変化等を踏まえたモデル契約の見直しの必要性が指摘されました。モデル契約は、情報システム開発における各局面の取引構造を透明化するためのツールであり、その普及により、ITベンダの産業構造転換、情報システムの信頼性向上、ユーザ・ベンダ一体となった生産性向上の促進が期待されます。
こうした状況を踏まえ、IPAでは、経済産業省が2007年に公開した「情報システム・モデル取引・契約書」、およびIPAが2011年に公開した「非ウォーターフォール型開発用モデル契約書」についての見直しの検討を2019年5月から2020年12月にかけて行いました。この検討では、全体を取りまとめる「モデル取引・契約書見直し検討部会」を設置し、民法改正に対応した「情報システム・モデル取引・契約書」の見直しについては、同部会の下で、ユーザ企業、ITベンダおよび法律専門家から成る「民法改正対応モデル契約見直し検討WG」において検討しました。
同WGでは、2019年度検討の成果として、2020年4月に施行された改正民法に直接関係する論点を見直した 「情報システム・モデル取引・契約書」の民法改正を踏まえた見直し整理反映版 (以下、「民法改正整理反映版」)を、2019年12月に公開しました。その後、民法改正に直接かかわらないものの、2007年のモデル契約の公表以降の情勢変化に応じて見直した方がよいと考えられる論点(後述)について検討しました。なお、論点の一つであるセキュリティに関連する検討については、セキュリティ専門家の意見を求めるため、2019年7月から同WGの配下に「セキュリティ検討PT」を設置して検討しました。
IPAはこれまでの検討を取りまとめ、「民法改正整理反映版」に民法改正に直接かかわらない論点の見直しを加えた「情報システム・モデル取引・契約書」第二版(以下、「第二版」)を、2020年12月22日に公開しました。また、「第二版」から参照されるセキュリティ基準等公表情報の一例として「情報システム開発契約のセキュリティ仕様作成のためのガイドライン」と「セキュリティ仕様策定プロセス」(以下、「セキュリティ仕様関連文書」)を同時に公開しました。
「第二版」は、ユーザ企業、ITベンダ、関連業界団体、および法律専門家の参画を得て議論を重ね、中立的な立場でユーザ企業・ITベンダいずれかにメリットが偏らない契約書作成を目指しているところが特長です。後述のように、主要な論点について、現行のモデル契約条項と解説の修正版、および見直しについての解説を整理しています。
「セキュリティ仕様関連文書」は、セキュリティ専門家、一般社団法人コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)(注釈) Software ISAC等のセキュリティ関連団体の参画を得て議論を重ね、また広く意見募集も行って 、「第二版」から参照されるセキュリティ基準等公表情報の一例として、Windows Active Directory環境用の文書が作成されました。
IPAはユーザ企業・ITベンダ双方が「第二版」を参照することで、契約のタイミングで双方がシステムの仕様やプロジェクト管理方法、検収方法等について、共通理解のもと対話を深め、よりよい関係のもとITシステム開発が行われることを期待しています。
「第二版」及び「セキュリティ仕様関連文書」は、下記よりダウンロード可能です。
「民法改正整理反映版」および「第二版」における見直しのポイントは下記の通りです。それぞれの論点や概要については、下記ページを参照ください。
本モデル契約書での参照法規については、公表当時の版の内容に基づきます。
本ページで公開している文書類から参照している法律等が改正されている場合がありますので、ご利用の際は十分にご確認ください。
全体の解説
情報システム・モデル取引・契約書(受託開発(一部企画を含む)、保守運用)
情報システム・モデル取引・契約書(パッケージ、SaaS/ASP活用、保守・運用)
セキュリティ仕様関連文書
システム開発におけるトラブルを未然に防ぐために、契約という観点からプロジェクトマネジメントを見つめ直す。
日本基幹産業労働組合連合会主催第7回情報分野連絡会(2025年4月24日)の講演資料
アジャイル開発を外部委託する際のモデル契約として、アジャイル開発版「情報システム・モデル取引・契約書」を2020年3月に公開しました。
IPA デジタル基盤センター
2025年6月17日
改正民法に対応した「情報システム・モデル取引・契約書」の公開ページを統合しました
2025年4月28日
日本基幹産業労働組合連合会主催第7回情報分野連絡会(2025年4月24日)の講演資料「システム開発の健全化に向けて」を公開しました
2025年4月9日
次のダウンロードファイルを差し替えました(「第二版」の更新に伴う、参照頁数の更新)
2025年4月8日
国際仲裁に関する解説を追記し、次のダウンロードファイルを差し替えました
修正履歴付きファイルの公開を終了しました
2024年7月19日
「第二版」の構成とダウンロード内、「利用時の注意事項」を更新しました
2023年7月1日
2023年7月1日の組織改編に伴い、お問い合わせ先を更新しました
2023年5月9日
個人情報保護法の改正・施行に伴い、以下のダウンロードファイル内の参照条項の番号を変更しました
なお、(修正履歴)とあるものについては更新しておりません
2023年4月10日
IPAウェブサイトリニューアルに伴い、以下のダウンロードファイル内記載URLを更新しました
個人情報保護法の改正・施行に伴い、以下のダウンロードファイル内の参照条項の番号を変更しました
なお、(修正履歴)とあるものについては更新しておりません
2022年11月15日
次のダウンロードファイルを差し替えました(200頁「8.甲の協力義務」内の参照先条番号の修正)
2021年5月10日
次のダウンロードファイルを追加しました