社会・産業のデジタル変革
公開日:2019年3月27日
最終更新日:2019年4月11日
独立行政法人情報処理推進機構
デジタル基盤センター
IPAは、組込み/IoT産業の実態や課題を把握するとともに、今後、取り組むべき施策の立案に活用することを目的として、組込み/IoTに関するアンケート調査を実施しましたので、その調査結果を公開します。
アンケート対象者 |
組込み/IoTシステム関連企業の経営層または事業部門責任者 |
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アンケート実施期間 |
2018年11月~2019年2月 |
調査票の配布数 |
2,544部 |
回収数 |
311件 |
有効回答者数 |
307件 |
組込み/IoT産業における開発において、依然として設計品質や開発能力の向上に対する課題意識が高く、技術者の確保とスキル向上等が解決策として挙げられています。AIやデジタルトランスフォーメーション(DX)などの新たな取り組みについては、中小企業よりも大企業の方が意識が高く、比較的取り組みも進んでいるという結果が出ています。また、技術者不足に対しては、即戦力人材の獲得とともに人材の再教育にも力を入れていることが分かりました。
組込み/IoTに関わる開発の課題では、「設計品質の向上」を最も重視する回答が多くなっています。3番目までの合計でみると「開発能力(量)の向上」、「技術トレンドへの対応(IoT、ビッグデータ、AI等)」も課題意識が高い傾向にあります。一方、「セーフティ・セキュリティの確保」を上位に挙げる回答は多くありませんでした。
最も課題とされる「設計品質の向上」の解決策としては、「技術者のスキル向上」が最も多いという結果になりました。3番目までの合計で見ると「開発手法・開発技術の向上」、「管理手法・管理技術の向上」も解決策として有効と考えられています。
今年度調査から、デジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みについても尋ねました。デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む目的として、「新ビジネスの創出」が他の目的に比べて圧倒的に多いという結果になりました。「世の中のトレンドへの対応」も多く、「顧客・主要取引先からの要求」とともに、市場からの期待が大きいことがうかがえます。
IoT/AI/DXへの取り組みの有無については、IoT、AI、DXの全てに「あり」との回答が2割弱、いずれか2つに「あり」が4割弱、いずれか1つに「あり」が3割弱で、全体の8割以上で何らかの取り組みが見られます。
IoTの取り組みは事業規模によらず広く進んでいるように見受けられますが、AIの取り組みとデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みは、いずれも大企業の方が進んでいることがうかがえます。
現在の技術者の人数と、不足している技術者の人数を尋ねたところ、現状の技術者、不足している技術者とも「10人未満」という回答が6割前後を占め、経年で見ても傾向に大きな変化はありませんでした。
人材不足に対する施策としては、「中途採用/ヘッドハンティングの活用」が目立ちます。3番目までの合計で見ると「大学・教育機関等との連携強化(新卒採用等)」、「今いる人材の再教育、スキルチェンジの強化」が多い傾向にあり、即戦力へのニーズが高い一方で、人材の再教育に力を入れていることもうかがえます。
2019年4月11日
「組込み/IoTに関する動向調査」調査報告書のWord版と「組込み/IoTに関する動向調査」調査報告書(データ編)のPowerPoint版を公開しました。