デジタル人材の育成
公開日:2024年5月29日
触媒は化学反応を促進する材料群であり、カーボンニュートラル社会に向けた化学プロセスの構築においてその高性能化が必要である。触媒の開発においては反応が実際に起こる表面の構造をモデリングすることが理論・実験の両面において重要であるが、触媒の組成が複雑になるほど表面のモデリングは考え得る原子配置の組合せが多くなり困難になるという問題があった。
そこで、2023年度未踏ターゲット事業での「アニーリングマシンを用いた合金触媒の探索・解析支援ツールの開発」プロジェクトのソフトウェアを応用し、本プロジェクトでは合金触媒表面のモデリングを行うソフトウェアを開発する。加えて、開発したソフトウェアを利用した触媒表面モデリングのドキュメントと使用例を詳細に作成し、それらを公開することにより、触媒モデリングの高速化とそのユーザーの拡大を目指す。
昨年度は合金触媒に関するツールの実証実験を行い、アニーリングマシンを用いた手法の有効性を確かめることができた。しかし、この手法による合金触媒での反応のシミュレーションをするには表面構造の作成はユーザー側で行う必要があり、まだまだ利用のハードルが高い。本年度はモデリングの対象を表面モデルに広げ、世界の研究者に使ってもらうための英語ドキュメントの整備を進めるということで、様々な研究者に使ってもらえるようになることを強く期待している。
2024年5月29日
2024年度採択プロジェクト概要(三瓶・七種PJ)を掲載しました。