デジタル人材の育成
漆原 茂
本プロジェクトは、「やわらかさ(粘性・弾性)」を撮影可能な次世代カメラを社会実装することを目的とする。
これまでの研究成果として、超音波アレイで物体表面を加圧・加振し、その微小変化をカメラで撮影することで物体の粘弾性を非接触・非破壊で計測する技術を確立した。しかし、現状のプロトタイプでは、装置の安定性や操作性が低く、誰もが手軽に扱える状態ではなく、工場のラインや検査現場で利用するには十分ではない。
そこで、本プロジェクトでは、現場で求められる要求を抽出し、現場で使用可能な安定性と操作性を持つ撮影装置および技術を構築する。具体的には、熱による計測値のドリフトを低減し、安定性を向上する。また、外部システムから制御可能なAPIおよび現場での調整が容易なGUIを実装し、操作性を向上する。さらに、プロトタイプを現場に持ち込み、必要な要件および事業性の評価を行い、事業化を推進する。薄膜や液体の検査現場において、経験に頼っていた手続きを置き換え、定量評価に基づく自動化を目指す。
音波により柔らかさを撮影できるカメラを社会実装するという未踏性の高いプロジェクトです。大学の研究技術を本格的に世の中に適用しようとする試みであり、チームの技術力もしっかりしているため採択しました。
ビジネス面では大企業からのニーズにどこまで応えられるかが肝と考えます。製造業を中心に適用範囲は広いと想定されます。本プロジェクト期間中にどこまで具体化できるか、挑戦してみます。