デジタル人材の育成

未踏ターゲット事業:2020年度採択プロジェクト概要(北村PJ)

1.担当PM

  • 田中 宗(慶應義塾大学 理工学部 物理情報工学科 准教授/早稲田大学 グリーン・コンピューティング・システム研究機構 客員主任研究員(研究院客員准教授))

2.採択者氏名

  • 北村 友(北海道大学 大学院情報科学院)

3.採択金額

  • 3,600,000円

4.プロジェクト名

  • アニーリングマシンによる除排雪最適化システムの開発

5.応募枠

  • 通常枠

6.関連Webサイト

  • なし

7.申請プロジェクト概要

札幌市は、豪雪地帯に位置する世界の都市の中でも類を見ない大規模な都市である。日本自体が降雪量の多い国であり、国土の約半分を占める豪雪地帯には多くの都市が存在している。こうした都市での経済活動や日常生活を維持する上で欠かせないものが除排雪である。特に地方自治体や運輸業界にとって、除排雪は費用や人材確保といった面で大きな負担となっており、豪雪地帯特有の社会問題となっている。ソフトウェアの力で除排雪の効率化を行うことでそういった負担を減らし、豪雪地帯の都市の活性化を促すことが本プロジェクトの目的である。

本プロジェクトでは、除排雪車両が向かうべき除雪位置や雪堆積場とそこまでの経路を適切に選択して、作業の効率化を支援する除排雪最適化システムを、アニーリングマシンを用いて開発する。さらに、札幌市をはじめとする地方自治体での運用を想定した、除排雪車両のドライバーが利用するモバイルアプリを開発する。

8.採択理由

本プロジェクトの目的は、アニーリングマシンによって北海道における除排雪の困難を緩和するための最適化システムを構築することを目指すことである。北海道の状況を熟知する採択者による、地域に根ざした課題の解決に臨もうという強い意欲を感じた。また、北海道で関連する開発を行っている方々や自治体等様々な関係者との連携も真剣に検討しており、独りよがりにならない開発になると期待される。

一方で、除排雪には様々な最適化すべき対象が存在する点に注意しなければならない。開発初期段階で、どの最適化すべき対象を優先的に解決すべきかについての絞り込みをしっかりと行い、問題設定の明確化をすべきである。その点をしっかりと踏まえることができれば、採択者の強い意欲によって良いシステムが構築できるのではないかと考える。