デジタル人材の育成
公開日:2025年5月28日
近年、深層学習を活用したAI技術は大きく発展しているが、触覚AIの実用化は遅れている。触覚情報は時系列的な変化を伴い、視覚や聴覚と異なり単なる静的なデータ処理では再現が困難である。本プロジェクトでは、リザバーコンピューティング(RC)を活用した適応型触覚AIのフレームワークを構築し、ロボットが触覚情報を通じて適応的に学習できるシステムを開発する。RCは時系列データ処理に特化しており、少量のデータでも学習が可能である点が触覚AIに適している。さらに、CNNとの組み合わせにより、時間的変化と空間的特徴を統合的に処理し、より高精度な触覚認識を実現する。そして、RCをFPGAに実装することで、低消費電力かつリアルタイムに動作する触覚AIモジュールの開発を目指す。本プロジェクトの最終目標は、適応能力を持つ触覚モジュールを開発し、触覚AIを実環境で広く活用できるようにすることである。
これまで行われてきた「触覚センサーを使った紙めくり」の研究を、紙だけでなく、さまざまな素材へと応用を広げようとする点が高く評価されました。これは、実用化の可能性を広げる重要な取り組みであり、特にまだ前例が少ない分野で、新たなデータや使い道を生み出すことが期待できます。また、センサーで得られた情報を使って実際にロボットなどの動きをどのように制御するか、といった具体的な技術課題にも積極的に取り組むことが求められています。触覚技術のさらなる発展につながるプロジェクトとして、大きな進展が期待されています。
2025年5月28日
2025年度採択プロジェクト概要(武貞・三木PJ)を掲載しました。