デジタル人材の育成
公開日:2025年5月28日
カーボンニュートラル社会の実現に向けて、従来の集中型電源システムから再生可能エネルギーを導入した分散型再生可能エネルギーシステムの移行が始まりつつある。このような電力管理システムの最適化は、太陽光や風力による発電量、電力需要や燃料価格といった不確実性の影響で、計算量が爆発的に増加してしまう。我々は、こうした課題を解決するためベイズ推論を組み込んだFactorization Machineと量子アニーリング技術を融合した新しい手法、BFMQAを提案する。このアプローチにより、多くの不確実性を考慮しつつ、CO₂排出量の削減と電力の安定供給を同時に実現する新しいソリューションの提供に挑戦する。そして、このプロジェクトを通して、量子コンピューティング技術の実用性を示すとともに、持続可能な社会の実現に貢献する。
本提案は、アニーリングマシンを活用した最適化技術により、カーボンニュートラルの実現に資することを目指すものである。具体的には、時間的に変動し、かつ確率的な特性を有する分散型再生可能エネルギーシステムに対して、アニーリングマシンに適したアルゴリズムを構築し、これをソフトウェアとして実装することを企図している。アルゴリズム設計においては学術的な新規性も見込まれ、応用対象としても社会的意義の極めて大きいテーマである。複数のエネルギーマネジメント分野の専門家からの綿密なヒアリングに基づき、実用性と先進性を兼ね備えたソフトウェアが開発されることを強く期待したい。
2025年5月28日
2025年度採択プロジェクト概要(伊藤・黒岩PJ)を掲載しました。