デジタル人材の育成

2023年度未踏ターゲット事業(リザバーコンピューティング技術を活用したソフトウェア開発分野)採択プロジェクト概要(安田・菱田・亀井PJ)

公開日:2023年10月6日

1.担当プロジェクトマネージャー

  • 香取 勇一(公立はこだて未来大学 システム情報科学部 複雑系知能学科 教授)

2.採択者氏名

  • 安田 俊輝(慶應義塾大学 大学院理工学研究科)
  • 菱田 快成(慶應義塾大学 理工学部情報工学科)
  • 亀井 聖斗(慶應義塾大学 理工学部情報工学科)

3.採択金額

  • 2,000,000円

4.プロジェクト名

  • 確率過程を対象とする予測のための量子計算機を用いたリザバーシステムの構築と実装

5.応募枠

  • 通常枠

6.関連Webサイト

  • なし

7.申請プロジェクト概要

確率過程で記述されるような時系列データは実社会に多く存在するが、それを高精度かつ高速に予測するようなリザバーシステムおよびそのアプリケーション実装は少ない。また、量子計算は、近年人類が新しく利用可能になってきた次世代のコンピューティング技術であり、物理リザバーとして活用する研究も報告され始めている。
本プロジェクトでは、確率過程をターゲットとし、量子計算機を用いて効率よく高精度にそれらの予測を行うリザバーシステムの開発を目指す。また、ソフトウェアの抽象化を行い、これらシステムのアプリケーション化を目指す。

8.採択理由

量子計算機を用いたリザバーコンピューティング(RC)の構築・実装を進めるこのプロジェクトは、確率的な時系列の予測を主な目的としています。
現在の量子計算機、すなわちエラーが存在し比較的少ない量子ビットで動作するNISQデバイス上でのRCの実装には多くの技術的課題がありますが、それを克服することにより、大きなブレークスルーが期待されます。量子計算機は、古典的にシミュレートできない非常に大きな系(大きな次元)の計算を高速に実行できる能力を持つため、時系列の予測の精度や速度が向上する可能性があります。
このプロジェクトの成功は、多くの産業や研究分野に影響を与えると考えられます。まだ検討が必要な点は多いですが、がんばって発展させてほしい重要なテーマです。

更新履歴

  • 2023年10月6日

    2023年度採択プロジェクト概要(安田・菱田・亀井PJ)を掲載しました。