デジタル人材の育成
公開日:2023年10月6日
確率過程で記述されるような時系列データは実社会に多く存在するが、それを高精度かつ高速に予測するようなリザバーシステムおよびそのアプリケーション実装は少ない。また、量子計算は、近年人類が新しく利用可能になってきた次世代のコンピューティング技術であり、物理リザバーとして活用する研究も報告され始めている。
本プロジェクトでは、確率過程をターゲットとし、量子計算機を用いて効率よく高精度にそれらの予測を行うリザバーシステムの開発を目指す。また、ソフトウェアの抽象化を行い、これらシステムのアプリケーション化を目指す。
量子計算機を用いたリザバーコンピューティング(RC)の構築・実装を進めるこのプロジェクトは、確率的な時系列の予測を主な目的としています。
現在の量子計算機、すなわちエラーが存在し比較的少ない量子ビットで動作するNISQデバイス上でのRCの実装には多くの技術的課題がありますが、それを克服することにより、大きなブレークスルーが期待されます。量子計算機は、古典的にシミュレートできない非常に大きな系(大きな次元)の計算を高速に実行できる能力を持つため、時系列の予測の精度や速度が向上する可能性があります。
このプロジェクトの成功は、多くの産業や研究分野に影響を与えると考えられます。まだ検討が必要な点は多いですが、がんばって発展させてほしい重要なテーマです。
2023年10月6日
2023年度採択プロジェクト概要(安田・菱田・亀井PJ)を掲載しました。