2023年度未踏ターゲット事業(量子コンピューティング技術を活用したソフトウェア開発分野)採択プロジェクト概要（風間・鎌田PJ）

1．担当プロジェクトマネージャー

• 徳永 裕己（日本電信電話株式会社 コンピュータ&データサイエンス研究所 特別研究員 博士（理学））

2．採択者氏名

• 風間 晴陽（慶應義塾大学 大学院理工学研究科 基礎理工学専攻）
• 鎌田 航平（慶應義塾大学 大学院理工学研究科 基礎理工学専攻）

3．採択金額

• 3,600,000円

4．プロジェクト名

• 動的回路を用いた効率的な量子機械学習アルゴリズムの開発

5．応募部門

• ベーシック部門

6．応募枠

• 通常枠

7．関連Webサイト

• なし

8．申請プロジェクト概要

量子コンピュータを用いた機械学習には現在高い関心が寄せられている。しかし現状使用可能なNISQデバイス(Noisy Intermediate-Scale Quantum device)はノイズの影響を受けやすく、量子ビット数の制限もあり大規模なアルゴリズムの実用化には至っていない。我々はNISQデバイスの活用に向け、最近新しく実装可能となった動的回路に着目する。動的回路は量子回路の途中で測定を行い測定後の状態を変化させる構造を持ち、それにより量子ビット数の削減やノイズの緩和などの利点が期待される。
本プロジェクトでは、動的回路の導入による既存の量子機械学習アルゴリズムの改善手法を開発する。また動的回路を積極的に活用することで、より優れた新しい量子機械学習アルゴリズムの開発を目指す。我々が開発した手法は、将来の量子技術への貢献を目的としオープンソースソフトウェアとして公開予定である。

9．採択理由

動的回路の評価の仕方は自明でないところもあり、また計算するものやノイズなどの環境に応じても変わってくると思われる。評価方法も含めて検討を深めていく方向性は多くあると思われ、色々な発展が考えられそうである。プロジェクトを進める中で新たなアイデアをさらに見つけていくことを期待する。