デジタル人材の育成

2022年度未踏ターゲット事業採択プロジェクト概要(志水・藤田PJ)

最終更新日:2022年5月27日

1.担当PM

  • 田中 宗(慶應義塾大学 理工学部 物理情報工学科 准教授)

2.採択者氏名

  • 志水 聖(株式会社デンソー センシングシステム技術1部)
  • 藤田 祐樹(株式会社デンソー 環境ニュートラルシステム開発部)

3.採択金額

  • 3,600,000円

4.プロジェクト名

  • VPPにおける確実・高効率かつ公平な電力マネジメント制御手法の開発

5.応募部門

  • カーボンニュートラル部門

6.応募枠

  • 通常枠

7.関連Webサイト

  • なし

8.申請プロジェクト概要

アグリゲータはVPP(Virtual Power Plant)において、電力需給バランスを行う指令塔であり、需要家に電力を要求し、応答して集めた電力を系統に提供し、提供した需要家にはインセンティブを与える「ディマンドレスポンス制御」を行う。上記手法においては、要求に対する応答性・効率,確実な電力提供が重要であり、技術開発・実証試験が進められてきた。

一方でVPPが社会に本格普及した時期において上記観点のみ考慮した制御を行うと、需給バランスに参加できずインセンティブをもらえない需要家が発生し、VPPに参加するメリットを感じられない需要家が生じる可能性があると考える。VPPを構築するには需要家の参加が不可欠であるため、我々は上記観点に加え、需給バランスにおける「公平性」が重要になってくると考えている。

そこで今回、量子コンピューティング技術を活用し、確実・高効率かつ公平性を考慮した電力需給バランス手法の開発を行うことを本プロジェクトの目的とする。本技術が開発されることで、需要家とアグリゲータ間に信頼関係が生じ、より多くの需要家が参画するVPPシステムの実現につながることが期待される。

9.採択理由

本年度より新設されたカーボンニュートラル部門での採択です。カーボンニュートラルは世界的な社会課題として認知されており、カーボンニュートラル時代に向けた重要な課題であると考えます。特に、公共性の高いプロジェクトであるということがプロジェクト名からもうかがえることから、公的事業である未踏ターゲット事業にふさわしいと判断し、採択いたしました。

VPPシステムにおけるどの部分にアニーリングを用いることが適切かといった技術的な側面や、そもそも公平性をどのように定量付けるかといった、カーボンニュートラル領域におけるドメイン的な側面について明確にし、社会実装のきっかけを担うプロジェクトとなることを期待しています。更に、未踏ターゲット事業における人材育成を通じて、アニーリング技術のさらなる習熟に努め、ソフトウェア開発を集中的に進めることで、カーボンニュートラル時代に何かを為したい方々の手本となるバイリンガル人材となることを強く期待します。

更新履歴

  • 2022年5月27日

    2022年度採択プロジェクト概要(志水・藤田PJ)を掲載しました。