デジタル人材の育成
最終更新日:2021年5月28日
量子コンピュータには古典コンピュータが計算不可能な問題を高速に解くことが期待されており、その中でも化学分野への応用が近い将来実現すると言われている。化学分野では化合物の基底エネルギーを求める問題が応用上重要となっており、この問題を解く量子アルゴリズムにVQE(Variational Quantum Eigensolver)がある。しかしVQEは必要な測定回数が多く、現存のNISQ(Noisy Intermediate-Scale Quantum)デバイスで高速に解を出すことは難しい。そこで本プロジェクトでは、NISQデバイスの持つ固有のエラー率に応じてデバイスの性能を最大限活かした、最適かつ高速なVQE回路設計手法の開発・検証を行う。
我々はこの手法を公開し、今後NISQデバイスのエラー率が改善するたびに、誰もがNISQデバイスの性能を最大限活かしたVQE回路を簡単に設計できることを目指す。
サイズが大きくないNISQデバイスの活用に向けた量子アルゴリズムの開発提案である。
既に具体的な検討方式案と研究開発計画を立てており今後の進捗が期待できる。
提案しているサンプリング手法がNISQデバイスにとってどれだけ有効かまだ非自明であり、それにより期待される効果と必要なリソース量から来るデメリットを明らかにし、適した設計を探究して欲しい。試すべき価値のあるテーマである。
2021年5月28日
2021年度未踏未踏ターゲット事業:福地・和田プロジェクト概要を掲載しました。