デジタル人材の育成
公開日:2025年6月25日
本プロジェクトはプログラムをセキュア・高速に実行し、かつ、効率的に移行をすることも可能にするシステムを開発する。具体的には、クロスプラットフォームなライブマイグレーションが可能なWebAssemblyランタイムと、WebAssembly System Interface(WASI)をインタフェースとするライブラリOSを開発する。
WebAssembly(Wasm)は2015年に発表されたプログラム形式であり、様々なプラットフォーム上でプログラムをセキュアかつ効率的に実行するための技術である。ライブラリOSはユーザ空間上でOSの一部の機能を実行する手法である。本プロジェクトでは、次世代のOSインタフェースであるWebAssembly System Interface(WASI)を採用したライブラリOSを開発する。これにより、従来のライブラリOSと比較して、移植性と性能が向上する。さらに、本システムはライブマイグレーション機能をサポートする。ライブラリOSとWasmランタイムを組み合わせることで、ファイルやソケットを開いたまま実行中のプログラムを異なるコンピュータに移行することができるようになる。
本提案は、WebAssembly(Wasm)とライブラリOSを組み合わせ、OSやCPUアーキテクチャを超えてプログラムを中断・再開できるライブマイグレーション機能を備えた実行環境を開発するものである。従来の技術では不可能だったクロスプラットフォームでのライブマイグレーションを、Wasmのポータビリティとユーザ空間で動作するライブラリOSにより実現し、安全性と性能の両立を図ろうとしている。特に、JITコンパイラとスタックマップによる低オーバーヘッドな移行処理、OS資源(ソケットやファイル等)の状態保存、セキュアな設計を同時に備えようとしている点を評価した。既にPoCとしてライブラリOSやWasmコンパイラを実装済みであり、移行速度やオーバーヘッドの観点で従来技術を上回る結果を得ている点も評価し採択とした。
2025年6月25日
2025年度採択プロジェクト概要(田村PJ)を掲載しました。