デジタル人材の育成

未踏IT人材発掘・育成事業:2024年度採択プロジェクト概要(工藤・本多PJ)

公開日:2024年6月25日

1.担当プロジェクトマネージャー

  • 稲見 昌彦(東京大学 総長特任補佐 先端科学技術研究センター 副所長・教授)

2.採択者氏名

  • 工藤 蒔大(早稲田大学 基幹理工学部 情報通信学科)
  • 本多 拓翔(慶應義塾大学 環境情報学部 環境情報学科)

3.採択金額

  • 2,880,000円

4.プロジェクト名

  • 家族の腸内環境を改善する排便分析デバイス

5.関連Webサイト

  • なし

6.申請プロジェクト概要

健康管理手段の多様化にも関わらず、排便状態から得られる情報の価値が十分に活用されていない。腸内環境は健康にとって非常に重要な要素であり、便の状態を通じて様々な健康上のサインを読み取ることが可能である。しかし、排便記録を手動で行う既存のアプリケーションやシステムは、継続的な使用において課題を抱えている。特に、子どもたちの健康促進や排便問題に対する意識の低さは、社会的な課題となっている。

そこで本プロジェクトでは、トイレに設置可能な排便分析デバイスを開発する。本システムは、機械学習を用いて家族全員の排便状態を記録・分析し、腸内環境の改善を通じて家族全員の健康管理をサポートすることを目的とする。具体的には、便の状態を自動記録し、分析結果に基づいてユーザに健康上のアドバイスや改善策を提供する。本システムの特徴を以下にまとめる。

  1. 記録された排便のデータを用いて、アプリケーション上で作物を育てるゲーミフィケーションにより、家族間で集団意識が生まれ、腸内環境を改善するためのコミュニケーションが促進される。
  2. 既存のトイレに簡単に取り付けられるデバイスによって、日常生活に負担をかけずに排便記録が自動化される。
  3. 便の状態の分析結果にしたがって、食生活の調整や運動習慣の見直しなど、具体的な改善策がユーザに提案される。
  4. ユーザの便の画像を他人に閲覧させないために、プライバシーに配慮した機械学習手法を用いる。

7.採択理由

「腹の虫」という言葉があるように、我々の消化器官は最も身近な「他者」である。そしてトポロジカルには腸内は外部であり、従来のヒューマンインタフェースが対象としていた体表面へのインタラクションの延長上にもあるといえる。

本プロジェクトはまさに腸内環境への間接的なインタラクションを志向した野心的な取り組みでありつつ、社会へのインパクトも大きいと判断し採択とした。

更新履歴

  • 2024年6月25日

    2024年度採択プロジェクト概要(工藤・本多PJ)を掲載しました。