デジタル人材の育成

未踏IT人材発掘・育成事業:2022年度採択プロジェクト概要(阿部・辻口PJ)

最終更新日:2022年6月20日

1.担当PM

  • 首藤 一幸(京都大学 学術情報メディアセンター 教授)

2.採択者氏名

  • 阿部 優樹(北海道大学大学院情報科学院 情報科学専攻情報理工学コース)
  • 辻口 輝(北海道大学大学院情報科学院 情報科学専攻情報理工学コース)

3.採択金額

  • 2,736,000円

4.テーマ名

  • 祭り運営を支援するアプリケーションの開発

5.関連Webサイト

  • なし

6.申請テーマ概要

本プロジェクトは、祭り運営を支援するアプリケーションを開発する。

祭り運営は、会場中の人や物を協調して制御する必要があるため、準備段階から本番当日にかけて、メンバー間の連携コストが大きい。また、予測できないトラブルへの対応やボランティアの管理など、運営メンバーは常にタスクに追われ、当日に祭りを楽しむ余裕すらない。

そこで本アプリケーションが祭りの連携作業を支援することで、運営メンバーのタスクの束縛時間を減少させて当日に祭りを楽しめるようにする。さらには、誰でも気軽に運営に参加できる仕組みを提供することで、コロナ禍の中で減少傾向が加速している市民参加型の祭りの運営メンバーの確保も支援する。

本アプリケーションは、2つの要素で構成される。一つは運営リーダー用のタブレットアプリケーション、もう一つは当日ボランティアを含む実働メンバー用のスマートフォンアプリケーションである。リーダー向けには会場図面の操作を通したタスク管理機能により、メンバーへの指示出しや祭の進行ができるようにする。実働メンバー向けには、スマートフォン上でリーダーの指示出しに応じた視覚的なナビゲーションを提供することより、深い事前知識がなくとも運営に協力することができるようにする。さらに本アプリケーションで得られたデータから、視覚的な引き継ぎ資料を生成することで、祭りの継承支援もできるようにする。

以上の機能を実現するために、本プロジェクトではタスク割り当ての最適化アルゴリズム、GPSや屋内位置測位技術を活用した地図インタフェースなどを開発する。

7.採択理由

祭りを主なターゲットとして、イベントの計画、当日の運営、そして継承を支えるツールを開発しようというプロジェクトである。自分達で祭りを運営して、しかしその自分達は祭りを楽しむ余裕もなく奔走してきたクリエータ達である。その経験を踏まえて、ペーパープロトタイプでの実験、他の祭り運営者のインタビューといった準備を重ねて到達した提案である。

何よりも、自分達がさらに祭りを楽しむため、そしてその祭りを次代へとつなげていくため、ある意味真に社会を支えるツールと方法論を見出し、形にしてくれるものと期待する。

更新履歴

  • 2022年6月20日

    2022年度採択プロジェクト概要(阿部・辻口PJ)を掲載しました。