デジタル人材の育成

未踏IT人材発掘・育成事業:2018年度採択プロジェクト概要(重光PJ)

1.担当プロジェクトマネージャー

  • 田中 邦裕(さくらインターネット株式会社 代表取締役社長)

2.採択者氏名

  • 重光 史也(島根大学 大学院 総合理工学研究科 総合理工学専攻 情報システム学コース専攻)

3.採択金額

  • 2,304,000円

4.テーマ名

  • NVDIMM向けファイルシステムの開発

5.関連Webサイト

  • なし

6.申請テーマ概要

近年、NVDIMMと呼ばれる新しいデバイスが登場している。これはDRAMの速度に不揮発を併せて持ったメモリであり、コンピュータ全体のパフォーマンス向上に大きく貢献すると考えられている。しかし、従来のカーネルの構成、プログラミングの方法ではNVDIMMの性能を十分に引き出せない、上手く扱うことができないことが知られており、世界中で活発にそれに対する開発が行われている。
本プロジェクトでは、カーネルの機能の一つであるファイルシステムをNVDIMM向けに開発する。現在使用しているアプリケーションプログラムの変更なしにNVDIMMをユーザが容易に有効活用するには、ファイルシステムをNVDIMM向けに入れ替えることが最も有効な手段である。ファイルシステムには、NVDIMM領域を最大限有効に使うためのディスクレイアウトに、透過的圧縮の機能、mmapによるNVDIMMへの直接書き込みの原子性の確保などの機能を盛り込み、速度と領域節約の両面において高性能を実現することを目指す。

7.採択理由

いま、さまざまな場面において、コンピューティングのアーキテクチャが見直されている。その中でも、不揮発性メモリを活用したアーキテクチャは、今までとは全く異なる価値をもたらすと考えられている。NVDIMMは、既存のコンピュータと相性のいいものではあるが、OS側からのサポートがまだまだ足りていない状況にある。今回のプロジェクトは、ファイルシステムを通じてNVDIMMのパフォーマンスを気軽に活用できるという実用性の高いものであり、NVDIMMの普及促進における一助になればと考えている。また、今までに無いものをカーネルレベルで開発するという心意気が未踏的であることや、波及効果が高いものと考え、採択した。