デジタル人材の育成
本プロジェクトでは、3Dプリントするオブジェクトの動きを3Dプリンタ上で表現するためのソフトウェアプラグインを開発する。
現在、3Dプリンタは主にCAD上で製作したオブジェクトやインターネット上でダウンロードしたオブジェクトを出力することに使われている。本プロジェクトでは、FDM(熱溶解積層法)方式の3Dプリンタを使い、プリンタに内蔵されたアクチュエータでプリントしたオブジェクトを動かすことや、プリントするタイミングを分割することによってオブジェクトの時間変化を表現する。これらを実現するため、プリントするオブジェクトの動きをデザインする機能と、そのオブジェクトとインタラクション可能にするための機能を3次元CADソフトウェアのプラグインとして実装する。
本プロジェクトによって、3Dプリンタが3次元のオブジェクトを印刷する機械としてだけでなく、インタラクション可能なメディアとして拡張されることが期待される。
3Dプリンタはプロトタイプ思考のためのハードルを飛躍的に下げたシステムであり、現在各所で活用されている。本提案は3Dプリンタのアクチュエータを用いることで、形状のプロトタイピングだけでなく、動作のプロトタイピングにまでチャレンジしている点に新規性はある。動きのプロトタイピングとして素材そのものの伸縮を用いた、いわゆる4Dプリンタに関する研究も見られる。本提案は機器や動作の汎用性が挑戦的であるものの、より多様な動きをインタラクティブに設計しようとしている点に新規性が認められるため採択した。