デジタル人材の育成
近年、モバイルブラウザの使われ方が変化している。これまでは、自分の分からない事柄を調べてそれを理解したらブラウザのタブを閉じて終了するという使われ方が多かった。しかし近年、記録を行うためにブラウザを使用するケースが増加している。ブラウザを立ち上げ映画や本、コンテンツ等の名前を検索し、そのタブを残して記録とする使われ方である。記録を残す方法は様々な媒体で存在するが、記録したものを検索することが多いため、始めからブラウザで検索しておき、そのタブを残しておくことが効率的である。また検索ワードに紐付いた文章や画像なども表示されるため、テキストだけをメモ帳に記録した場合よりも後から振り返りがしやすい。
しかし、現在のモバイルブラウザはこのような使用ケースに対してデザインが最適化されていないため、膨大なタブの中から目的のタブを探すことが困難である。そこで本プロジェクトでは、「記録のためのブラウザ」としての最適なデザインを設計し、機械学習分類器を用いることで多くのページを開いても効率的にそれらを整理し、ユーザが目的のタブを効率的に見つけ出すことが可能になる、新しいモバイルブラウザを制作する。
メモ代わりにブラウザのタブを並べたり保存したりしている人は多いだろう。それを自動分類して、メモとして後に参照が容易にできる、いままでありそうでなかったシステムの提案である。提案者たちはプロトタイプシステムをすでにiOSアプリとして実装し、リリースしており、実装力や実現可能性も評価できる。未踏期間では単なる改良ではなく、本当に使いやすいものにするために、機械学習を本格的に導入することで質の違うレベルにしたいという提案者たちの意欲に期待している。