デジタル人材の育成
石黒 浩
プレゼンテーションは現代社会において頻繁に行われるコミュニケーション形態の一つである。学生は教育上の課題の発表、就職活動、学会発表などにおいてプレゼンテーションを日常的に行っている。頻繁なプレゼンテーションの機会において、プレゼンテーションの手間をできるだけ省き、毎回のプレゼンテーションを低負荷で消化したいという欲求は大きい。
本プロジェクトでは、ロボットを含む複数発表者への自動プレゼンテーション割当システムを構築する。本システムは、発表者の作成したプレゼンテーションのスライド構成を元に、コンパニオンロボットを用いた共同プレゼンテーションの台本割当を自動で作成し、発表者はその台本に従うだけで、特別な準備をすることなく発表に向かえるようにする。また、発表者が発表時の台詞や順番を覚えなくても済むように、カンペ機能も備えるようにする。加えて、誰がプレゼンテーションを行ってもそれなりの質になるようなテンプレートを複数用意することで、発表者はある程度の場面に応じた好みのプレゼンテーションスタイルを選べるようにする。
プレゼンの本質に関する考察は十分にできているとは言えないが、ロボットの新たな可能性を開拓する興味深い提案である。どこまでプレゼンを本質的に考えて、ロボットを使った新たなプレゼン方法を提案できるかが成功の鍵になると思われる。