デジタル人材の育成

未踏IT人材発掘・育成事業:2011年度採択プロジェクト概要(長坂PJ)

1.担当プロジェクトマネージャー

藤井 彰人(グーグル株式会社 エンタープライズ部門 シニアプロダクトマーケティングマネージャー)

2.採択者氏名

  • チーフクリエータ
    長坂 瑛(電気通信大学 電気通信学部情報工学科)

3.採択金額

  • 1,792,000円

4.テーマ名

  • 人について行くリアルタイムナビゲーションシステムの開発

5.関連Webサイト

  • なし

6.申請テーマ概要

道に迷った時、行き方を知っている人に気軽に道案内を依頼できるようなシステムを提案する。
GPSを利用した位置推定技術の発展に伴い、それらを利用したナビゲーション技術は多数提案されている。しかし、現状ではこれらの技術によってカバー出来ない数多くの状況が存在する。そこで私は、より普遍的なナビゲーション技術として、行き方を知っている人について行くことで目的地まで辿り着けるリアルタイムナビゲーションシステムを提案する。本手法は、案内してくれるユーザーとついて行くユーザーの現在地をリアルタイムに取得し、それらに基づいて、ついて行くべき方向を矢印でスマートフォンに表示する。
しかし、GPSでは地下鉄の駅やデパ地下のような屋内で精度の良い位置推定をすることが難しい。そこで、屋内無線LANの普及を背景に、屋内Wi-Fiアクセスポイントを利用した電測情報によって位置推定を行う手法を考えている。
本提案のナビゲーションシステムが実現できれば、案内してもらいたいユーザーは行き方の分かるユーザーの案内に従うだけなので、複雑な電車の乗り換えや言葉の通じない海外でも迷うことなく目的地へ向かうことができると期待される。

7.採択理由

本提案は、道に迷った人に、人の力を活用し適切なナビゲーションを行うシステムの開発である。
地理空間情報サービスが広く展開、利用されている地図や、ナビゲーション分野ではあるが、地図情報の正確さだけでは解決しない問題は確かに存在しており、人が人を案内するという本提案のベースとなるアイデアは、逆説的ではあるが斬新であり大きな発展性があると考える。
初期提案においては、物理的に案内人が迷った人を誘導するという単純な内容であったが、プレゼンテーションにおいて、仮想的に案内したり、サービスを案内したりできるという新たな可能性を示した。
プレゼンテーションに対する質問からも新たな可能性を追求したいというクリエータの積極的な姿勢も評価した