デジタル人材の育成

未踏IT人材発掘・育成事業(ユース):2008年度下期採択プロジェクト概要(遠山PJ)

1.担当プロジェクトマネージャー

  • 筧 捷彦(早稲田大学 基幹理工学部 情報理工学科 教授)

2.採択者氏名

  • チーフクリエータ:遠山 敏章(工学院大学大学院工学研究科情報学専攻)
    コクリエータ:なし

3.未踏ユースプロジェクト管理組織

  • リトルスタジオインク株式会社

4.採択金額

  • 3,000,000円

5.テーマ名

  • インターネット上のファッション画像収集システムの開発

6.関連Webサイト

  • http://knownstylenolife.com/
    http://www.google.com/s2/profiles/113785231042944214782

7.申請テーマ概要

本プロジェクトではインターネット上のファッション画像を自動的に収集するシステムを開発する。本システムはファッション画像共有サイトとファッション画像検索エンジンで構成される。ファッション画像共有サイトでは、ファッション画像の投稿、高度なコメント機能、ランク付け機能や画像間の相関を与える機能をユーザーに与えることで、世界中のファッション画像とそのメタデータの収集を行う。
一方、ファッション画像検索エンジンでは、画像共有サイトで収集されたメタデータを用いることで、インターネット上のファッション画像を収集する。そして、収集されたメタデータを用いる事で、服の名称(例:ジャケット、スカーフ)や画像を検索クエリーにしてファッション画像の検索が行える。
本システムにより、既存の画像検索エンジンでは実現困難だった流行のファッションアイテムの検索からコーディネートの参考画像の検索まで、インターネットを対象にしたファッション画像の検索を行うことができる。また、画像検索エンジンはユーザーフィードバックを学習することで検索結果の向上を図る。

8.採択理由

遠山君は、前回に引き続きの応募である。ストリートファッションスナップの共有サイトを運営してきている。
前回の提案では、「国際発信を狙ってページの言語をすべて英語にする。」という内容であったため、評価が低くなり採択にならなかった。

「英語を読む気のない日本の若者を相手にするためには、国内での手始めとして、日本語のページを作る。これを英語のページと自動的にうまく連携するようにする。」というところまで踏み込む必要があるのではないか、と不採択理由に指摘しておいたことに発奮して、今回は、こうした点に対する配慮をしたしっかりした案をもっての登場である。

すでに運営しているサイトに蓄えられたメタ情報を活かし、さらにそれを手がかりに自動翻訳エンジンも利用して関連するスナップ画像を収めたサイトを広くインターネットの中から探して関連づける機能など、技術的にも、ビジネス的にも、骨のあるプロジェクト提案となった。

10年近く共立女子大と共同して運営している多量の画像情報をデータベース化することや国際展開の芽も仕込んであって、大いに成果が期待される。

4月からは就職するので、3月いっぱいできる限りの開発をすすめ、4月以降は帰宅後自宅でフォローアップしていくという。とはいえ、就職先もファッション関連だというから、4月以降も就職先の仕事とうまく組み合わせてこのプロジェクト発展させていってくれることも併せて期待している。