デジタル人材の育成

未踏アドバンスト事業:2025年度下期実施プロジェクト概要(長谷川・平沼・木下・舟田PJ)

公開日:2026年1月15日

1.担当プロジェクトマネージャー

  • 平野 豊(ひらの ゆたか)
  • 平野リサーチラボ 代表

2.採択者氏名

  • 長谷川 恭平(東京大学大学院情報理工学系研究科知能機械情報学専攻/東京大学医学部臨床情報工学学術専門職員)
  • 平沼 慶人(東京大学大学院情報理工学系研究科知能機械情報学専攻)
  • 木下 陽斗(東京大学大学院情報理工学系研究科システム情報学専攻)
  • 舟田 愛(東京大学教養学部理科二類)

3.契約金額

  • 16,000,000円

4.プロジェクト名

  • 熟練者の無意識な暗黙知を抽出・継承可能なマルチモーダルAI

5.関連Webサイト

  • なし

6.プロジェクト概要

日本の製造業では暗黙知の継承が大きな課題となっている。精密加工や少量多品種に代表される市場では熟練技能が競争力の源泉であるにもかかわらず、その技能は喪失の危機にある。製造業事業所の約86%が技能継承に課題を抱えているとの報告もある。原因は、暗黙知の多くが言語化されず、熟練者自身も意識しづらい点にある。従来のヒアリングや映像記録だけでは重要な感覚的知識を捉えきれず、学習者の習得速度や品質にばらつきが生じていた。いま現場に適した新たな技能継承手法が求められている。
そこで我々は、「熟練者の無意識な暗黙知を抽出・継承するAI支援システム」を開発する。本システムは、作業中の様子を計測するウェアラブルハードウェアと、対話を通じて暗黙知を形式知化するAIインタビュアー、さらに学習者の作業へのフィードバック機能を統合した仕組みである。これにより、従来困難だった高度な熟練技能の体系的継承を実現する。
開発は三つの軸で進める。第一に、工場作業を妨げない計測ハードウェアの開発。第二に、情報の漏れや歪みを抑えるAIインタビュアーの構築。第三に、学習者の行動矯正支援による技能定着の促進である。また、ノイズが多い現場でも使える堅牢性確保、誤解を防ぐUI設計にも取り組む。加えて、導入コストを抑えたパッケージ化と実証実験、積極的な広報により普及を加速させる。これらを通じて技能継承の断絶を防ぎ、日本のものづくりの強みを次世代へ持続的に継承可能な世界の実現を目指す。

7.採択理由

技能現場の熟練者の暗黙知を、視線、音声、画像のマルチモーダルAIからの質問で明らかにし、技能継承を可能とする提案。社会インパクト、技術的に未踏性は高い。すでにプロトシステム開発を進めており協力先とのPoCを進めている。ただ、応用先としては個別に特化したものとなるため事業性については改善の余地は大きい。実際の現場作業では視線、音声、画像だけでなく触覚情報も重要と思われるため、技術的な改善の余地も大きい。改善の方策について、議論や指導をしていきたい。

更新履歴

  • 2026年1月15日

    未踏アドバンスト事業:2025年度下期実施プロジェクト概要(長谷川・平沼・木下・舟田PJ)を掲載しました。