デジタル人材の育成

未踏アドバンスト事業:2024年度実施プロジェクト概要(大嶽・加藤・廣岡・金澤・恩田PJ)

公開日:2024年6月28日

1.担当プロジェクトマネージャー

  • 村上 明子(むらかみ あきこ)
  • 損害保険ジャパン株式会社 執行役員CDaO データドリブン経営推進部長

2. 採択者氏名

  • 大嶽 匡俊(東京大学大学院情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻)
  • 加藤 大地(東京大学大学院情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻)
  • 廣岡 聖司(東京大学大学院情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻)
  • 金澤 爽太郎(東京大学大学院情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻)
  • 恩田 健太郎(東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻)

3.契約金額(税抜)

  • 15,040,000円

4.プロジェクト名

  • 日本アニメの世界観を崩さない吹き替え制作AIプラットフォーム

5.関連Webサイト

6.プロジェクト概要

日本のアニメは世界的な人気を集めているが、日本アニメ産業の国際市場における成長は鈍化傾向にある。日本のアニメが国際的な市場で競争力を保つためには、日本語以外の言語で吹替版を製作し、世界中の人々へ作品を届けることが非常に重要となるが、資金・期間の課題、翻訳や海外声優の演技の質の課題など、数多の課題を抱えている。
そこで我々は、「日本アニメの世界観を崩さない吹き替え制作AIプラットフォーム」の開発を行う。AIが人間の作業を援助、代替することで、低コストで吹替を製作できるようにし、資金の課題を解決する。また、我々のプロダクトを用いて一人で吹替製作できるようになることで、外部との連携の必要性を格段に減らし、完成までのフローを大幅に削減できるため、期間の課題を解決する。さらに、日本の声優の声質や演技を模倣した音声の自動生成や、文脈・性格などのメタな情報を活かした翻訳、翻訳者が少ないマイナー言語の市場への進出など、これまで人間の力だけでは成し得なかった表現をもAIの力で実現させる。
開発は二つの軸を中心として進める。一つ目は、翻訳AI・音声合成AI等、各種AIの研究開発である。既存の最先端技術を活かすだけではなく、キャラクターの特性に合わせた翻訳や、元となる音声の特徴を崩さないAI開発を押し進める。二つ目は、これらのAIを組み込んだプロダクトの開発である。ユーザが全工程を一元的に管理でき、また真に使いやすいUI/UXと、必要十分な機能を兼ね備えたプロダクトを、想定顧客にヒアリングを行いながら開発する。
我々のプロダクトをもとに、低コストに・短期間で・高品質な日本アニメの吹替版を提供できるようにすることで、国際市場における日本アニメ産業の発展に貢献することを目指す。

7.採択理由

吹き替えをAIで翻訳・生成するプロジェクトだが、元のアニメの世界観を壊さないように感情やキャラクターをしっかり継承していくというところにオリジナリティがある。技術的にはすでに非常に進んでいるが、上記の観点のような「元の世界観」をAIでどこまで再現できるかがキーになると思う。さらに技術的ではなく、ビジネス的には解決しなければいけない問題が多く、その辺りをPMとしてしっかりサポート・支援をしていきたい。

更新履歴

  • 2024年6月28日

    村上PMの所属を変更しました。
    2024年度採択プロジェクト概要(大嶽・加藤・廣岡・金澤・恩田PJ)を掲載しました。